吉田Pインタビュー&ビデオ第3弾
- 雑誌へのインタビュー公開と同時にWebメディアにもンタビュー記事公開
- なおGAME Watchの後編は現時点(11月22日午後1時)で未公開
- GAME Watch:「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(前編)ついに現行版のサービスが終了! 2年間の総括と今後のストーリー展開を聞く
- 4gamer:現行のグローバルMMORPGには負けたくない――「FINAL FANTASY XIV」のグランドフィナーレ直後に公開された新生FFXIVの新情報について吉田直樹氏にいろいろ聞いた
- gamer.ne.jp:現行版「ファイナルファンタジーXIV」がワールドダウンを迎えた心境、そしてこれからの展開は―プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に話を聞いた
- 電撃オンライン:『旧ファイナルファンタジーXIV』と『新生ファイナルファンタジーXIV』は似ていても何もかもが違う――αテストを経て吉田プロデューサーが語る
GAME Watch 「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー
2010年の体制変更前後のこと
2010年12月10日に体制変更を発表しましたが、実際に引き受けたのはその2週間前。チーム全体会をやって、今日から僕が担当することになったのでよろしく、と、大部分のスタッフが基本的に「初めまして」という状態でしたので、対外的な発表の前に、自己紹介から始まり、まずは彼らの士気を確認するところからのスタートです。「では、これからどのように進めていくか」という方針も必要で、ようやく席に座って当時の現行「FFXIV」を触り始めたら「うーん、どうしようかな……」という状態でした(苦笑)。
まず、サービスを絶対に止めはしないということが1つ。後は冷静に調査をして現行「FFXIV」のままアップデートを続けることで、なんとか軌道修正可能なのか? その後にもう1回PRかけ直す形で再スタート可能なのか? 実際にクライアントを触りながら確認していました。テクノロジー周りを調査しながら、年末も不眠不休で仕事をして、とにかく12月末くらいはアドレナリン全開、ずっとハイテンションで作業していた記憶があります。
そもそもプロデューサーとディレクターを1人でやることが、通常ではあり得ない状態で、現行「FFXIV」のプロデューサーとディレクターをやりつつ、新生「FFXIV」のプロデューサーもディレクターもやりつつ、ゲームデザイナーとしても新生「FFXIV」の全ゲームシステムの立案。例えば描画の設計自体もそうですし、やることが多かったです、本当に。MMORPGとしての最低限のゲームデザインが、現行「FFXIV」でどこまで実現できるか、まったくできない部分はアレンジして別の形として入れ込まないといけない。ひたすら突っ走ってきたので、どうやってここまで来たのか、よく覚えてないところもあります(笑)。というわけで「感想は?」と聞かれれば、やはり「ホッとしました」ですね。
今回の仕事量や決断の速度は、自分の能力の限界を超えているとは思うのですが、限界突破までやった気はします。仕事でこれ以上のパフォーマンスはもう一生出せないと思います。 僕としては、僕個人の能力でいったら、フルに出し切ったという意味で100点だと思います。ミスをした部分は反省して修正できますので、今後の糧とさせていただくとして、振り返ってみて「じゃあ、これ以上、自分の能力で何ができたんだろう?」という想いもありますので。
- 現行版を今後何と呼んでいくのですか?
僕は、現在のプレーヤーの方は「現行」とか「旧XIV」でいいんじゃないかなと。もしくは「ファイナルファンタジーXIV-0」とか「FFXIV序章」、「レガシーXIV」とかでもぜんぜんいいと思うんです。 今のところ何も想定してなかったですね。ただ、新規の方は別になにも気にしなくても良いですし、まさしく全員が同じスタートラインなので。
- ストーリー的にはどういう呼び方をするんですか?
「第七霊災編」ですね。例えば新しくRPGを発売しますと言うときに、「FF1」だとかつて「闇の時代があり、4人の戦士たちが闇を振り払い、のちに彼らは光の戦士と呼ばれるようになった」という伝承があってゲームが始まるじゃないですか。あの部分が「第七霊災」です。だから新生「FFXIV」から始める方は、へーそういう前日譚があっての世界なんだねという。そこがリアルに、確かに2年間存在します。それがなかったら新生「FFXIV」は存在しませんので。ただ、新生「FFXIV」から見れば本当にプロローグという形に、僕らはそう認識して作っています。
- 二度と再現はありえない?
うーん、わからないですね。たとえば、新生「FFXIV」運営8年目に「あの時のバハムート戦に乗り込め!」みたいなコンテンツを作らないとは言わないですし、現時点で道を狭めることは言いたくないです。僕は面白ければ何だっていいだろうと思っているので。 ただ、もう2度と味わえない結末をMMOでと、最初に僕はそう謳ってこの第七霊災を始めたので「なんだ後からでも体験できるじゃん!」というのも違うと思うんですよね。もう2度とないって思うし、終わってしまった……と思うからこそ、泣いていただけている方もいると思うので、興ざめさせてはダメだと思うんです。僕もちょっと感傷的になっていますが、例えば「FFVII」のエアリスは生を全うするからこそ、良いんだと思います。
- 吉田Pにとって現行「FFXIV」はどういう存在だったか?
うーん、難しいですね。僕がもともと学生時代悪い子だったからかもしれないですが、“不良少年を預かった”って感じがしますね。なかなか更生してくれないんだけど、そうなった生い立ちもわかるし……。なにも、そう育ちたくて育ったわけじゃない。親たちもそう育てたかったわけじゃないというのがあって。感情移入しちゃっているところはあります。だからなんとかしたい!と思ったのもそうです。やっぱりそれを精一杯楽しもうとしてくださったお客様があんないらっしゃったので、「FFXIV」にとって本当に幸せだったと思います。
- 蛮神
惑星ハイデリンの物語である「FFXIV」の中で召喚獣というのはそもそも本体が召喚の世界に、エーテルワールドにいるので、現世に召喚されるときって受肉をして、要はクリスタルの力を大量に使って召喚される存在で、倒しても倒しきれない存在です。第七霊災があって、しばらく平和な時代だったのに、また登場というシーンが出てはきますね。ストーリーは全く変わりますだから。
「時代の終焉」
- トレーラーで完結させるという構想はいつからのものなのか?
これが2011年2月18日の資料ですね。僕が正月ずっと家で寝ないで仕事してベースを作り、そこから1カ月かけて完成させたものです。これが運営のロードマップですね。例えばUIのところだと、パッチ1.15aと1.16でUIの基礎改修をやるよとか、そこからさらに出てきたUIの残りタスクに対してギルドリーヴとビヘストのバランス調整。1.17aではアイテム関連に手を入れ、カラーUI、アイテムのレア度に対してカラーが入った時期なのですけど、引き続きバランス調整、バトルシステムの調整をここで本格的に開始する、とか。実際1.16に繰上げができたり、ここにパブリックカンパニーと書いてありますけど、これがグランドカンパニーですね。グランドカンパニーのクエストを実装し始めるのはこのタイミングからですね。
- 当初の予定では現行「FFXIV」のサーバーダウンは、今より半年以上前だったのですね。
そうですね。このときまだプログラマーの見積もりがまったく進んでないなかで、とにかく僕からまず最初の初期計画を提示して、これがどのくらい後ろにずれるか工数を出してもらいながら調整していったという形です。このあとロードマップは、その見積もりが出た数字に合わせて調整されていきました。
- この時点ではちょっと見込みが甘かったということ?
とにかくサーバーがしんどかったです。「現行FFXIV」の処理の多くはLuaスクリプトで書かれているのですが、スクリプトとLuaエンジンの相性が非常に不安定で、プログラマーが手におえなくてメモリからダンプして追っているような状態だったので。実際にこれがきっちり見積もり計画ができたのが2011年の6月くらいですね。 これが僕の書いたメテオのプロットですね。要はこのパッチのスケジュールにあわせて、こういう風にメテオが世界に周知されていくということを書いています。その後、シナリオ担当の佐藤弥栄子にクエスト分割して貰いました。
- メテオがバハムートになったのは?
最初からです。ここにもう書いてありますね。「迫るメテオ衛星+バハムートによって」と。それでアトモスが出るあたりのことも書いてあります。モンスターの突然変異だったり、巨大化したり。アトモスにする、というのは、それに沿って開発から出たアイデアですね。
- 暖めていたものがあったのか?
いえ、今回思いついたものです。
たぶんゼロから考えろと言われたら、出てこなかった気がします。手がかりが何もないので。でも「ファイナルファンタジーXIV」はMMOだったので、僕がプレーヤーとして経験してきたことが、とても役には立ちました。「Diablo」シリーズも、「Ultima Online」、「Dark Age of Camelot」もかなりのヘビープレーヤーでしたし。 例えば「FFXI」も3国の存在があって、そこの馴染みも良かったのです。まずプレーヤーたちがもうちょっと団結してもらう意識が必要なので、もともと3都市だったので、3つの都市をちゃんと建てようと。そこにちゃんとプレーヤーが所属する組織がないと話にならんといって、まずその3つを作ることを考えました。それがグランドカンパニー。帰属意識を持って頂きたくて。ただ、改めてお客様をもっと広く集めるMMORPGとしてとして成立させるためには、新生して作り直す以外にない。ですが、たくさんのお客様にプレイして頂いていましたし、「サービスを中止します」、単に「新生『FFXIV』に切り替えます」、ではあまりにもおもしろくないですし、印象が悪すぎます。そのときに思ったのは「世界が壊れることにしよう」でした。
現行「FFXIV」をプレイしていたら、月の横に赤い点があって、「あの赤い点なんなの?」って世界設定のチームに聞いたら、「惑星ハイデリンには2つ衛星があって、月の横にもう1つ月を回っている衛星があるんですよ」と。「それなんか設定あるの?」と聞いたら、「メフィナに絡む設定だけで、使うのは今後です」といわれたので、「それさ、落としてもいい?」って(笑)。 「FF」的だし、僕自身「FFVII」が好きなので、メテオが落ちてくる話って「FF」らしいじゃないですか。それが激突して世界が壊れるといったら「FF」ファンならストーリー的な納得はいくだろうと。それで、プロットを書き始めたのですが、書き始めてすぐに「ただ落ちたらつまらないよな……」と。既定路線過ぎて。 僕は昔から本格ミステリー小説中毒なので、何か仕掛けられないかな、と。例えば“メテオ計劃”というキーワードがあれば、「FF」ファンなら誰でも「ああ、隕石が落ちる」と思うじゃないですか。しかも、それがグラフィックス的にパッチのたびに近づいてくると、「ああ、いずれ落ちるんだなあ」と余計に思って頂けるだろうと。
でももう一方で「FF」と言えば召喚獣、召喚獣と言えばバハムート! というのがあったので。ダラガブは球体ですし、卵のイメージもあるので、実際にはダラガブは落着せず、その寸前に割れてバハムートが出てきて全部焼き尽くす、これかな、と。あとはMMORPGプレーヤーとして、「World of Warcraft」の拡張パックである「Cataclysm」を知っていたのもとても大きかったです。
- 「WoW」の影響?
やっぱりMMOではかなりインスパイアされているところはあります。「Cataclysm」を眺めていたのは、「FFXIV」の仕事を受ける前です。MMOなのに古くなったゲームの序盤を作り直すために、こんなストーリー展開を思いつくなんて、Blizzardの人たちは天才だなと思っていたのです。その後、「FFXIV」を担当することになり、図らずも僕自身も全部作り直さなければいけなくなったので、ドラゴンの要素は被るにせよ、やっぱり「ファイナルファンタジー」なので、バハムートに最後暴れてもらった方が、よりサプライズだし、より「FF」らしくなるだろうと。
やはりこうして振り返ると、様々な制約条件があって、自由に発想できない分だけ、シンプルに、かつ知識や経験を総動員した結果、自然とこうなったというイメージです。実際に全体構想の第1稿が出来上がったのは2011年の1月11日で、まだガタガタの状態でした。その後1カ月かけて僕が全セクションと1回話をして調整して。まずはみんなに説明することが、チームに対しての最初の仕事だったのです。
- 「世界の終焉」トレーラーの発注書
こっちが最終的にビジュアルワークスに今回のトレーラーを発注する際、1番最初の打ち合わせに僕が持ってったものです。 僕、絵が超下手くそなので。字コンテで(笑)。
- 「世界の終焉」トレーラーの続き
実はあの先がまだありますし。
まずはエンディングとして公開しています。僕は今回の「時代の終焉」トレーラーは、プレイした人にしか意味がわからなくてもいいといって作らせています。RPGのエンディングのムービーをプレイしてないプレーヤーが見てもよくわからないじゃないですか。でもそれでいいという話をしていて、なぜならこの2年間支えてくれて、ダラガブを止めようと必死に戦った冒険者に対する答えなので、誰にでもわかるようにするのは無理だろうと。 だから、あのまま新生「FFXIV」のオープニングにしたのでは意味がわからないはずなので、あの映像の続きと、それにナレーションなどを加えて編集したものを新生「FFXIV」のオープニングとして使っていこうかと考えています。
- 続き部分というのは?
そうですね。もう新生した世界の話です。例えば、まだ決めてないですが、それこそルイゾワの語りで、かつて第七霊災ありきみたいな語り口で始まって、映像を編集したものを入れて、戦士たちはそれと戦い抗い、しかし空を覆いつくすバハムートの炎が、そして世界は新生したってところから新生「FFXIV」がはじまればいいかなと。
- 「時代の終焉」トレーラーの続きの部分というのは?
「時代の終焉」トレーラーの3分の1くらいかな? 全部でこれ8分弱くらいあるので。 ノーカットの映像はPRで使ったり、「コレクターズエディション」みたいなものに付けたいと思います。本当は、YouTubeじゃなくて映画館で流したかったくらいなんですよ。
- ルイゾワはどうなったのか?
それは、今は語らないほうがいいでしょう。普通には出てこないです。
新生「FFXIV」のストーリー
ダラガブ自体は古代アラグ帝国が作ったバハムートの拘束具なので、バハムートは外郭の内側に楔で自由を奪われています。そもそもいつ誰が打ち上げて、そもそもバハムートって誰が召喚したのかとか、そのあたりは「大迷宮バハムート」というコンテンツの方にストーリーがついているのでそっちを攻略していくとわかるという形です。ただ、これは新生「FFXIV」のメインストーリーではなく、あくまでメインストーリークリア後のお話しですね。
第七霊災は特殊で、先ほどもお話ししたように新生「FFXIV」の前日譚なので、ここをいきなりメインストーリーで解説されたって新規の方は「え?」となってしまいます。だからメインストーリーはあくまでガレマール帝国と、ひとまずちゃんと決着をつける形ですね。
世界がバハムートからあれだけの打撃を受けて、バハムートがあのまま暴れていたらどうなるんだ? というお話は、メインストーリーの中でなんとなく語られます。ただ、その真相はメインストーリーをクリアした後「大迷宮バハムート」に行かないとわからないということになっています。だから表向きは“帝国に対して自由を勝ち取る戦争をみんなでする”というのが、あくまでわかりやすいメインストーリーで、これはレベル50で1回帝国ともけりがつきますね。とにかくここは、新作のゲームを作る気持ちで作っていますので。
- 今レベル50の人は結構サクサククリア?
できますね。ただ、簡単にクリアできても味気ないと思うので、レベルシンクするかもしれないですね。砦攻略とかになってくるので、ある程度シンクして、新旧のプレーヤーが気にせず、パーティーを組んでいってもらえばいいのかなと思います。
- ガレマール帝国のネールをはじめ、帝国のいろんなキャラクターは?
ネールは死にました、が答えです。
例えばまだ黒将軍ガイウスは生きています。彼はこの「第七霊災」を高みの見物していただけでした。どちらに転んでも、自分の目指すべき先の害にはならない。ある意味、手を汚さずに静観していたイメージです。ですが、新生「FFXIV」では、まずは彼と何らかの決着をつけるところがポイントですね。
新生「FFXIV」では3つのストーリーライン
新生「FFXIV」では3つのストーリーラインを考えていて、1つはガレマール帝国との戦い。もう1つは蛮神たちです。
最後の3つめの軸が「第七霊災」と「バハムート」に関連するストーリー。クリスタルタワーとも関連する「古代アラグ帝国の謎」という話になります。 クリスタルタワーも古代アラグ帝国の遺産です。その辺は実はもう現行「FFXIV」でも伏線がいくつかあるので、推理している方もいます。「時代の終焉」トレーラー公開前に、「ダラガブは古代アラグ帝国が作った機械である」というのは現行「FFXIV」のシナリオに登場しています。それと新生「FFXIV」の中にクリスタルタワーがあることを関連づけて、「ダラガブには古代アラグ帝国皇帝ザンデがコールドスリープされていて、その復活のためにネールがメテオ計劃を図ったのではないか?」、そして「ザンデが復活してクリスタルタワーが姿を現すのではないか」という予想をしていて。
まず1つはあくまでレベル50の間に語られるメインストーリーという形です。 ひとつになります。「メインクエスト」ですね。その中にグランドカンパニーのエピソードも全部入ってきます。 3軸目だけは本編をクリアした後じゃないと挑戦できないストーリーなので、違うかもしれませんね。
新生「FFXIV」では、まずはメインクエストをレベル50までにクリアし、一応のエンディングを見る。ここが帝国編で、帝国の戦いと、メインクエストの中に出てくる蛮神を倒すところの話までが入っています。 で、これをクリアした後で挑戦できる「大迷宮バハムート」の中で第七霊災のストーリーに挑戦できます。このストーリーが現行「FFXIV」の第七霊災クエストと同じく、パッチで順次追加されて続いていくというイメージです。長くプレイしていると話がわかってくるという。ですので、拡張ディスクとは違いますね。
大迷宮バハムート
物理的に大迷宮ですね。でかいので(笑)。
今言えるのはバハムートに絡むとだけですね。それこそネタばれになってしまいます。 あのホワイトアウトした後、何が起きたかという核心の部分なので、むしろあの状況下で新生の空になぜ青空があって、バハムートはいないのはなぜだろうというところからその謎を追っていくのが最終の話になります。
- 最終的に直接対決はあるのか?
戦いたいですよね。ただあのサイズじゃ無理だろうって気はするので、ちゃんとストーリー上つじつまがあうようにしてあります。それはどう表現されるかお楽しみにということで。
いずれも古代アラグ帝国という存在が絡んでいるからなのですが、クリスタルタワーの存在意義とダラガブの存在意義がかなり近かったりするので、そこらへんがそうですね、大元をたどるとみたいなところがあるので、そこはどっちのコンテンツもやっていただくと、わかってくるかなあという。
- 報酬に巴術士の種族装備があったが?
いや、それは関係ないです。全クラス報酬を用意するのでたまたまです。 (巴術士は、大迷宮と関係なく)最初から選べるクラスの1つです。そもそも現行「FFXIV」ではギルドがあるのにクラスになれないという謎の状態だったので。「じゃあ銃術士ギルド」はどこへって話ではあるのですが(苦笑)。巴術士は最初から選べます。
4gamer グランドフィナーレ直後に公開された新生FFXIVの新情報について吉田直樹氏にいろいろ聞いた
現行版FFXIVがグランドフィナーレを迎えて
- 今の感想
まだまだ新生FFXIVの作業がありますから。とは言え,いまは燃えカス気味です(笑)。
- 「時代の終焉」
あれは,2010年末に運営開発体制を作り直す決断をしたときから,バレないように仕込んできたもので,新生FFXIVを作ると決断したときから「ダラガブ」はバハムートの拘束具という設定だったんです。 ですから現行版FFXIVの各シーンを録画している方は,検証してみると面白いんじゃないでしょうか。例えばネール・ヴァン・ダーナスは,最後にダラガブ――つまり,バハムートから力を受け,メガフレアが使えるということを提示していました。 ほかにも,ネールがどのあたりからバハムートの支配下に置かれるのか,彼のセリフの変化から読み取れるようにとか。あとはクエストのテキストに,帝国がイシュガルドから蛮神について研究している神学者を誘拐してきたというエピソードを入れて,バハムートの存在を示唆していました。割とあざとくヒントを出しているので,いま見返して「ああ,やられた!」と思ってもらえると,僕としては本望です(笑)。 そもそも,僕はずっと「FFらしく行きます」と言ってきて,でも“FFらしさ”の象徴のひとつであるバハムートには,一度も触れてこなかったんですよね。
- 現行版FFXIVをきちんとプレイした人にしか分からない仕掛けばかりですね。
今回のムービーは現行版FFXIVのエンディングですし,これまでの2年間,ずっと応援してくださった方への恩返しという意味もあります。ですから,そうした皆さんにだけ意味が伝わればいいというコンセプトで作っています。 実は追加のムービーも制作中で,今回のムービーと合わせて新生FFXIVのオープニングとして仕上げます。きちんとセリフを加えて編集するので,次は新生FFXIVから始めるという方にも分かりやすい内容になります。
- 新生FFXIVのメインストーリーの3つの軸
1つ目は帝国との戦いですね。2つ目は蛮族と蛮神を食い止める戦いです。蛮神は,惑星のエネルギーを吸い取ることで現世に出現するので,放っておくと惑星そのものの存在が危うくなります。この2つの軸が絡み合って,メインストーリーの大半を構成しています。 そして3つ目が,はたして第七霊災とは何だったのかという謎を解き明かしていくという軸で,その舞台が大迷宮バハムートになります。つまり,まずメインストーリーをレベル50に達するまでにクリアしてもらい,その先に大迷宮バハムートが待ち受けているんです。大迷宮バハムートは,もはやグランドカンパニーは関係ない,冒険者にしか解き明かせない謎として存在しています。
- クリスタルタワー
クリスタルタワーには,やっぱりあのボスがいないと(笑)。それに,例えば大迷宮バハムートの最後に,バハムートとの対決がなかったら逆に驚きますよね。そうしたお約束は,あまり隠すつもりはありません。ただし,新生FFXIVのラストがどうなるかについては,もちろんお話できなくて,それはこれから順次披露していくコンテンツやクエストで語られると思っていただければ。
キャラ名変更
運営・開発チームでは,キャラIDで把握していますので,名前が変わっても困ることはなさそうという結論ですね。 例えばフレンドリストなども,キャラIDに紐付く形で自動的に書き換わる
- 種族や名前を変えたことを,ほかのプレイヤーに伝えるうえで,システム的なフォローはありますか?
さすがにそれは,お互いに伝え合ってもらうしかないですね。そこを懸念するようなら,最初から変更しないでいただきたいなと……(笑)。「変わったから,あらためてよろしくね」と周囲に言って回るのが面倒だと思う人は,わざわざ変えなければいいわけですし。例えば携帯電話の番号を変えること自体,結構なストレスになりますよね。なので,今回も種族や名前を変えられるとは言っても,実際に変える人がどの程度になるか,思ったよりは多くないんじゃないかと予想しているんです。
胸などキャラクターモデリング
- キャラクター作成のUIがムービーで公開されたときに「もっと大きく!」みたいな意見も
ありましたね。ですが,種族/部族によって大小の幅が異なるんですよ。例えばルガディンの女性ならそれなりに大きくできますが,ミコッテだとサンシーカーはある程度まで,ムーンキーパーだともう少し大きくできるという感じです。ここは,担当スタッフもかなり拘っている部分ですね。 ですから揺れ方にも「奥ゆかしく」という指示を出しています(笑)。あと女性プレイヤーから見た場合,ここはもう少し慎重にすべきだと思っていますので,そのあたりもしっかり気を使っています。
- 他にボーンが入っているところは?
ミコッテの耳や尻尾にもボーンが入っています。ララフェルやエレゼンの耳もそうですから,動かそうと思えばできます。 ただ動くかどうかよりも,大きさや形を変えられるほうにこだわりを持つプレイヤーが多いと考えています。ですから,例えばミコッテの尻尾ならライオンっぽいものとか,もっとシャープな,より猫っぽいものなど,5種類くらい用意しています。
- 美容院
美容院のようなコンテンツを入れます。一時期はやっていたカリスマ美容師みたいなNPCを立てて,クエストをクリアすると「いつでもキミをビューティフルに」みたいな感じでいきたいなと(笑)。髪型や色だけでなく,フェイスペイントなども変更できます。さすがに,顔の造形や体型といったものは無理ですが。
- ステータス
ステータスに関しては,リスペック(振り直し)の方法をいくつか用意すると思います。あまり簡単にリスペックできてしまうと慎重に選ぶという感覚が失われるので問題ですが,逆にどれに振ればいいのか分からないから振らないというプレイヤーが増えてしまっては本末転倒です。そこで,各クラス/ジョブに有効なステータスを明示しようとは考えています。
とは言え,新生FFXIVの場合,プレイヤーのステータスよりも装備アイテムのパラメータの比重が大きくなりますから,アイテムで底上げすることもできるでしょう。
PvPとPvEでは,必要なステータスがまったく違いますし,DPS(Damage Per Second,1秒あたりの与ダメージ量)などの検証も進むでしょう。その一方では,装備アイテムの評価を数値化した「アイテムレベル」という概念も加わるので,「アイテムレベルがこれだけあれば,このコンテンツは大丈夫」という目安ができます。全員が全員,DPS計算ができないとダメということにはならないと思います。
ヴィエラなど新種族
多いですね。たぶん,僕にとっては現行版FFXIVも新生FFXIVも,ケモノ系や爬虫類系が足りないなあと思っていたんです。ですので,え? ヴィエラって結構美形じゃない? と思ってしまったんですよね(苦笑)。もう少し泥臭い種族がいた方が,世界としてはリアルになると思っているんです。ただ,それがFFに求められているかというと,ちょっと考えてしまうところなんですよね。
- FFXIIのバンガ族
PCとしてじゃなくて,蛮族のNPCとしてならアリかな,という感じですよね。ともあれ,どこまで許されるのかというラインは悩んでいます。その中では,ヴィエラは美形すぎもせず,泥臭すぎもせず,ギリギリ出せるところかなと。 僕は,海外のRPGのキャラクター造詣を参考にして,ヴィエラはほとんど人間とみなされると捉えていたんですが,海外のFFファン──とくに北米の人達はそう捉えてないみたいですね。このことは25年という歴史の中で,海外でもFFはFFとして受け入れられていることを認識しました。でもヴィエラって,いままで女性しか出てないですよね。
インベントリやストレージの容量
アイテムを持ち歩くためのインベントリの容量は限定しますが,保管しておくストレージは増やしていきます。その一つがハウジングですし,例えば銀行のようなシステムも,いつでも実装できる状態になっています。ただ,そもそもレベルシンクがありますから,無理に低レベル用アイテムを保管しておく必要はありませんが。
あとはファストトラベル(テレポなどの瞬時移動手段)も簡単にできるので,パッと移動して必要なものを取り出し,すぐもとの場所に戻ることもできます。
装備の型紙システム
さすがにクラスによる制限は設けます。例えば,メイジ系ならローブなどが中心になり,鎧を身につけることはできません。
PvPゾーンでは,強制的にベースの装備を表示しますから,そういった,ごまかしはできない方が良いでしょうね。
「FULL ACTIVE TIME EVENT」(FATE)
まずNMの定義ですが,ほかのMMORPGのいわゆるネームドモンスターとは異なります。新生FFXIVの場合,NMは通常のモンスターが突然変異して巨大化したとか,凶暴になってしまったなどの設定で,出現したフィールドゾーン全体に警報が流れます。
そしてNMの周辺に近づいたプレイヤーは,全員が同一のパーティにいるのと同じ状態になるので,とくにマッチングされるというわけではなく,そのまま戦闘に参加できるシステムを目指しています。
- 一人で参加しても大丈夫?
大丈夫です。専用ウィンドウを開けば,参加プレイヤーのリストを確認できますが,ヒーラー以外はとくに意識する必要はないと思います。そしてNMに与えたダメージや参加時間などによって,一定以上の貢献が認められたプレイヤーには,リワード取得の権利が発生します。このときのリワードのロール判定は,権利のあるプレイヤー各自に対して行われます。
権利を得たすべてのプレイヤーであれば,運の善し悪しはあると思いますが,何かしらアイテムが入手できます。ですからNM出現の警報が流れたら,ワーッと集まって,皆で攻撃して,お互いに助け合って,NMの討伐に成功したら各自がリワードをもらって解散という運びになります。またNM出現というのはFATEの一例に過ぎず,襲撃してきた盗賊団から拠点や街を守る防衛戦や,チョコボや要人を目的地まで護衛するミッションなどもあります。
加えて,レベルシンク(※コンテンツの定められたレベルに対して,そのレベルを上回っているプレイヤーを同一のレベルにシンクロさせる,レベル制限の一種)がありますので,高レベルプレイヤーが低レベルエリアのFATEを荒らすようなことはできなくなっています。逆に言えば,高レベルプレイヤーキャラクターの強さが調整されるので,どのエリアで発生したFATEでも,その場にいるプレイヤーと一緒に楽しめるというわけです。
- 参加人数の制限は?
とくに人数制限を設けてはいません。ただ,プレイに支障が出る人数に達するようであれば,最初からインスタンスゾーンを用意して,一定人数を超えたら新しいインスタンスゾーンを作って,半分を移動させるようなシステムの導入を考えるかもしれません。
このシステムは技術的には実現可能なのですが,なにぶん,コストのかかることなので,はたして本当に導入が必要なほどコンスタントに人が集まるのか,αテストの負荷試験結果や,βテストで動向を見ながら検討します。
- リワード
FATEでは,多くのプレイヤーにリワードを提供したいのですが,そうなると,あまり性能の高いものにはできません。そこで初期装備の色違いとか,見た目優先のものを出そうと考えています。
ハウジング
- 金額について
Mサイズでも,クエストのテキストをすべて飛ばしながら進めると,レベル50まで約50時間,それが3人揃えばいいわけですから,厳しすぎるというものではないと捉えています。
ゾーンの中に何か所か家を建てられる土地が販売されているので,その中から好きな場所を選んで購入します。「ドラゴンクエストX」(DQX)と同じと言えば,分かりやすいかもしれません。
土地の価格も初期は高く設定して,売れないと値下がりしていきます。こう説明するとDQXみたいだと言われてしまうんですが,DQXのハウジングシステムの基礎設計には僕も関わっていたものなので(笑)。
例えばLサイズの家を建てられる土地は,各インスタンスに3つ程度しか用意していないので,大きなフリーカンパニーは一等地を確保するところから競争が始まるでしょうね。
ただ,土地の前に掲げられた価格を見て愕然とするでしょうけれど……。今のところは,12時間おきに値下がりしていくようにしているのですが,どのタイミングで買うべきか大いに悩んでほしいです。
- 自宅用リテイナー
現在雇用していて街で呼び出せるリテイナーとは別に,自宅用のリテイナーを雇えますよ。もちろんハウジングゾーン内にいるリテイナーを検索するボードがあるので,そこで直接買ってもいいですし,家まで走って買いに行ってもいいです。
- フリーカンパニーの「評価」
。フリーカンパニーは,一般的なタイトルで言うところのギルドシステムなんです。FFXIVのプレイヤーは社会人の方が多いので,企業活動を例に出したほうが理解が早いだろうと思っていたんです。けど,説明にリアリティがありすぎて,変な印象を与えてしまいました(笑)。
3都市グランドカンパニーによる評価システムは,例えばガチの傭兵のロールプレイをするようなフリーカンパニーが,プレイのモチベーションを保ちやすいように,用意しているだけなんです。常にランキングの上位を狙うフリーカンパニーにとっては重要ですが,普通にプレイする人達はあまり気にしなくてもいいと思います。
- フリーカンパニーのランキング
いくつか用意します。例えば不滅隊ランキングのトップを取ったフリーカンパニーには軍事称号が授けられ,各メンバーはウルダハに行くと不滅隊NPCから敬礼されるといった待遇を受るとかですね。待遇と言ってもその程度なので,本当に気にしなくて良いレベルかなあと。
結婚システム
メリットは,マリッジリングを使うと,お互いの場所にテレポートできるといったものくらいしか想定していないですね。戦闘時にボーナスのようなメリットを付けてしまうと,それを目当てにした偽装結婚みたいなケースが増えるので,少し考えなければなりません。ちなみに結婚する対象となる男女のプレイヤーキャラクター同士で,一つクエストをクリアしてもらうというのを想定しています。
マウントと戦闘
チョコボはバディとして一緒に戦うことができますし,その結果に応じてチョコボのレベルも上がっていきます。ですが,先日のレターライブでお見せしたクァールなどは,チョコボとは異なり,あくまで騎乗用の一般マウントです。一般マウントの種類は続々と追加していきますよ。
- 魔導アーマー
魔導アーマーはそうですね。あれは思い入れのあるスタッフ達がカスタムパーツを付けたり,デカールを貼れるようにしたいと言っています。彼らがやりたいことは,おそらくプレイヤーもやりたいでしょうから,僕からは「頑張って作れよ」とだけ(笑)。ただ,それとは別に,魔導アーマー自体はメインストーリーに絡んできます。
ニヤリとできるようなエピソードを用意します。
αテスト
このラグで問題なのは,それまで普通に動いていたものが,限界人数を超過したとたん,急に重くなることでした。780人で300バトルくらいなら普通に動くのに,800人で370バトルになると一気にラグが発生していたんです。そこを何とか緩和して,急にゲームができない状態が発生したり,キャストができない状態が発生したりするなどの,過負荷によるクリティカルバグが出ないよう作業を進めています。
- データが巻き戻る現象もあったが?
あれは高負荷によってプレイヤーのセーブリクエストにデータベースが対応しきれず,DBに書き込みする際にデータキャッシュサーバがフローを起こした側面と,そしてその結果,クリティカルバグが発生した側面の2つの理由がありました。それも含めて,過負荷によって急激に動作が重くなったときに生じていたクリティカルバグはすでに修正しています。現在は,処理が重くなる要因を40くらいリストアップできたので,それを一つ一つ最適化している段階ですね。
- αテスターは現在,何人くらい参加しているんでしょうか?
公表はしていませんが,現行版FFXIVプレイヤーの人数と比較すると,テスター数は結構高い割合になっています。またαテストというと,ログイン数が徐々に減ってテスター数の20%くらいに落ち着くものなんですが,新生FFXIVの場合は,全テスターの60%以上がログインするという状態になっています。正直,運営開発チームとしては,想定外の数字ですね。
βテスト
- βテストを2013年1月下旬から2月上旬に開始するというアナウンスもありましたが,これはオープン形式ですか?
いえ,最初はクローズドです。テスト項目を一通り終えるまでは,オープンにしません。
- 現在のαテスターの扱いは?
発表しているとおり,一般公募になります。現在,αテスターの方には厚いフィードバックをいただいているので,そういったプレイヤーに,βテストでどう変わったのか確認してもらいたい,という思いもあるので,現在も調整中ではあります。
- PvPのテストなどは?
βテスト期間の後半に,バランステストを実施するつもりではいます。
- 現行版FFXIVプレイヤーのデータ反映時期
一度,βテストのフェイズ3で,データコンバートのテストを行う予定です。前代未聞の大規模なデータ引継ぎなので,その時点で問題点を洗い出し,修正を施します。そして最終フェイズで,ローンチに向けたデータ引継ぎを改めて行います。
開発陣について
- プレイヤー兼開発者は,具体的に,どういったところで貢献しているのでしょうか?
新生FFXIVでは,とくにコンテンツヒエラルキーを重視していますから,アイテムレベルがどれだけあれば,どのコンテンツをクリアできるかというマッチングの実地検証だったり,各クラスやジョブのロールバランスチェックだったりとか。こう言うと,ハードコアユーザー向けコンテンツになるのでは,と思われそうですが,むしろ,かなり論理的に作っているんですよ。
例えば今ある「製作手帳」「採集手帳」に「討伐手帳」が加わります。これはモンスターを討伐して条件を満たすとリワードとして経験値がもらえるものです。従来のリーヴに加え,コンテンツファインダーとFATEが入って,手帳があってと,気楽にレベル上げができますし。
ソロプレイやコンテンツの難易度
ダンジョン攻略以外なら,あえてパーティを組まなくても遊べると思います。 ダンジョンに関しては,おそらく大迷宮バハムートは,コンテンツファインダーによるマッチングだと攻略困難な難度になります。ノーマル/ハードといったモード分けもするつもりですが,ハードはきちんとパーティ編成しないとクリアできないバランスになると思います。
また,パッチが当たった直後に最上位コンテンツをクリアできるのは,確かに先頭集団のプレイヤーのみかもしれませんが,それは決して永遠ではありません。例えば,のちのパッチでいいアイテムが手に入れば,アイテムレベルそのものが上がり,後続のプレイヤーでもクリアできるようになります。常に最速で最上位コンテンツをクリアしたいという人でなければ,心配することなく楽しんでもらえます。
実装当初は「絶望的」と形容された「真イフリート」も,終盤はアイテムさえきちんと揃えれば,誰でも倒せるようになっていましたし,さらに装備整えていけば,「真ガルーダ」も同様になっています。意図したのは,現行版FFXIVの終了までにマイペースで進めている人達でも,それなりに「月下の戦い」をクリアできるように,というバランスでした。もちろん,プレイを開始した時期には左右されますが,1年くらい追いかけて頂いた方には,「なんとか月下まで間に合ったねー」というイメージではないかなあ,と。 さらに新生FFXIVでは,同じアイテムレベル帯に複数のコンテンツを用意しますので,現行版FFXIVよりプレイ進行に幅が出ます。例えばアイテムレベル50帯のコンテンツを週代わりで順次攻略して,アイテムレベルが53になったから,次のアイテムレベル帯に挑戦してみようか,という流れができます。現行版FFXIVでも同じことをやりたかったのですが,並行して新生FFXIVの開発を進めていたので,実現できなかった部分なので。 結果それによってパッチ投入直後は,どうしても単独の最新コンテンツしか選択肢がなく,挑んでも「うわー,難しすぎて無理だよ!」という部分が出てしまったと思います。
矢面に立つこと
精神的にキツいことは,僕も人間なのでやっぱりあります。でも,僕が発言しないとプレイヤーが現状だけを見て,どんどんネガティブになっていきますし。例えば「これはできない」というネガティブな内容の発言であっても,きちんと「なぜなら,こういう理由があるから」と説明できれば,そこからまたプレイヤーの皆さんは「それならこれでどう?」と新たに考えてくれることも多いです。 先日も,新生FFXIVの進捗について,2011年10月に発表したロードマップから2か月と2週間遅れているとお伝えしました。遅延のご報告をするのは,本当に申しわけないですし,辛くもあるのですが,その原因は僕自身が納得の行くまで調整を行っているからと,理由を説明し,目標がどこにあるかもお話しました。
この2年間,皆さんに応援していただいたおかげで,現行版FFXIVのグランドフィナーレを迎えることができました。ここからあとは,お約束したとおり,新生FFXIVをワールドワイドで戦えるMMORPGに仕上げるために,ひたすら突っ走っていきます。 また新生FFXIVのβテストは,フェイズを区切って,長めにやろうと考えています。現行版FFXIVのプレイヤーだけでなく,新規の方にも広く開放しますので,ぜひ触っていただけたらと思います。現行版FFXIVを一度休止してしまった方も,触っていただければ「新生FFXIVは別のゲームじゃん」と思っていただけると思います!
gamer
αテスト
αテスター専用のフォーラムではすでに書きましたが、もともとワールドの同接(同時接続者数)は5000人で計算しており、ひとつのゾーンに1000人まで入れるようにし、そこでゲームがプレイできないようなクリティカルなラグが発生しないことを目標にしていました。1000人を超えるプレイヤーがゾーンに入ろうとした場合に関しては、そのケースが少ないのであれば「このゾーンは人がいっぱいなので入れません」といったアナウンスを出して制限する方法になると思いますし、それともゲームの導線上、そういった事態が何度もありうるのであればゾーンごとインスタンス、例えば森のA、森のBといったようにして負荷分散する方法を採用しますし、どちらを取るかというテストでもあります。
αテスト開始時点では、まずボトルネックが見えたのはプレイヤー数が650人弱、バトルが200ほど発生していて、NPCも全部入っている状態のときでした。ここは原因を探ったらサーバー周りに単純なバグが見つかったので、すぐに修正しました。そういった作業を2日ほど行ったところ、プレイヤー数が800人ぐらいまでは耐えられるようになり、現状では単純なクリティカルなバグは0になっています。
あとはソースコードの改善ですね。例えば「ここのループが一回多い」といったように、バトルのソースコードが重いと、バトルの同時発生数が増えれば増えるほど余計な処理が必要になるので重くなってしまいます。そのため、例えばバトルプログラムをソースコードから見直してリファクタリング(整理)したり、バトルに限らず重くなるソースのリストアップができたので、それを順次やっています。これがサーバーにとって一番大事ですし、メモリ破壊もなくなっていきます。
これはクリティカルなバグとは異なり、1日や数時間で直せるものではないので、今からαテストの終盤にかけて修正していき、βテストで反映させるといったイメージです。そうするとβテストでは安定性がさらに一段上げられますし、今のところ手応えとしては非常に順調です。
- αテストはいつ頃まで?
12月の2週目ぐらいまでを予定しています。実は負荷試験だけを考えるとデータは十分に取れていて、いただいたフィードバックの多くはβテストレベルの内容になっています。後は海外からの接続に対してどれくらいのパフォーマンスが発揮できるのかというのと、長期間サーバーを稼働させてメモリがクラッシュしないかといったエージングテストですね。そのフェイズ3、フェイズ4のテストを実施して終了するという感じです。
それから、今回の現行版クローズとβテストまでの時期を考えて、できるだけ多くの方にαテストに触っていただこうと思っています。本来、一般的なαテストというのは遊べる範囲が狭いので、初期のログイン率が全αアカウントの40%ぐらいで、そこから徐々に20%ぐらいまで下がっていくものです。ところが、「新生FFXIV」は今もαテスターの方々のログイン率が高く、常に60%をキープしていて、2ワールドでアカウントを追加配布しても破綻してしまうので、いっそ5ワールドぐらい用意して、ストレステストという名の“みんなで序盤を触ってみよう”みたいにしてみようかなという感じです。
- ゲーム的な部分での感想は?
負荷試験だと思ってくれていないのかなというぐらいいただいています(笑)。ただ「普通にプレイしてしまった」とか「早くβテストやってほしい」というご意見をたくさんいただけたのは嬉しかったですね。先ほどもお話ししたように、いただいたフィードバックの多くはβテストレベルの内容だったので、βテストまでに、そしてβテスト期間中にほとんど修正できるかなと思っています。
なるほど!と思ったフィードバックに「後退したときにキャラクターが振り向いてダッシュしてくれない」という意見がありました。ここは「新生FFXIV」ではプレイヤースキルの範疇にしようと思っていたのですが、現行版やゲームパッドに慣れていると、やはり標準で存在させるべきなんだなあ、と。日本では「ファイナルファンタジーXI」が作ってきたMMO文化がスタンダードなので、その辺りはもう一段意識を高くして考えていこうと開発と再認識させていただいています。
ほかにも、スキルのクールダウンタイム(待機時間)がすべて共通の「グローバルクールダウンシステム」を採用しているので、一度スキルを使い終わってからほんの数秒間スキルが発動できない時間(クールダウンタイムそのものは3秒間)がストレスだという意見もありました。それはスキルのアニメーションを長くすればストレスを緩和できますし、実際現行版は3秒が目じゃないぐらい長い。クールダウンタイムは、成長と共に短くなる設定なので、ゲーム序盤をこれ以上短くするのは本末転倒です。しかし、アニメーションを長くしてしまえば、結果的にバトル自体のテンポが悪くなってしまいますので、そういったところは、落とし所はどこだろうなと冷静に見るようにしています。
マウント
チョコボとはバディ(相棒)として一緒に戦うことができ、クァールはそれができません。チョコボは装備が変えられますが、クァールにはそれがない。ある意味チョコボが特別なのであって、クァールが一般的な「マウント」ということになりますね。「新生FFXIV」では現行版と比べてプレイヤーの移動速度を1.2倍ぐらいにしてあり、なおかつ一時的に移動速度を上げる「スプリント」というスキルがあるので、αテストではチョコボが遅く感じてしまうと思います。
実はマウント(乗り物)そのものにライセンスという概念を入れて、もう一段ギアが上がって早くなるようにしたいと考えています。それがチョコボやクァール含めて全マウントに適用されるので、そういった意味でのマウント間の移動に関する差はありません。今回クァールのマウントを公開しましたが、今後はクァール以外もたくさんマウントを出していきますよ。
討伐手帳
αテストでは採集と討伐の手帳がありますが、βテストではもうひとつバトル向けの「討伐手帳」というものが加わり、こからも経験値のリワードが手に入りますし、クエストやリーヴ、手帳の内容を達成してもいいですし、コンテンツファインダーでダンジョンに行ったり、ビヘストに参加したり、LIVE放送で出したFull Active Time Event(FATE)に参加したりと、どれをとってもサクサクレベルが上がるので、自由度が下がって困るかと言えば、そんなことはないと思っています。
現行版のデータを引き継いだ場合
- 現行版のデータを引き継いだ場合と、新規でキャラクターを作って始めた場合、スタートは異なるのか?
場所は異なりますね。「時代の終焉」トレーラー後のエピソードがあり、「新生FFXIV」のオープニングにその場所が出てきますので、いわゆるレガシーなキャラクターがスタートする場所は、「新生FFXIV」でイチからキャラクタークリエイションしてスタートする場所とは違うところになっています。ストーリーの破たんがないようにしていますし、結局メインストーリーもほぼ全部作り直してしまったので、分かりやすくなった内容をもう一度プレイしていただけたらなと思います。
- 引き継いだキャラクターで始めた場合でも、新規と同じように全てのクエストなどは受けられるのか?
ごく序盤の一部だけ、矛盾が出る部分以外は受けられるようになりそうです。「強くてニューゲーム」だと思っていただければ大丈夫かなと。
- 新規プレイヤーが既存プレイヤーに追い付くための要素は?
それは考えていないです。バランスが破綻します。「新生FFXIV」では当然新規のサーバーも立てますし、「新生FFXIV」からプレイされる方は、大多数がそちらを選択すると思いますので。
- 現行版をプレイしていない人にとって専門用語やストーリーなどわかりにくいのでは?
全員が新規のお客様だと思ってゲームを作っていますので、何も気にしなくて大丈夫だと思います。αテストでも全部そうしていますし、ゲームパッドモード用の「How To」も用意していますので、ひとつひとつ、全プレイヤーへ丁寧に伝えるようにしています。
巴術士と召喚士
巴術士はサービスイン(正式サービス)時からで、今の雰囲気を見ていると召喚士も間に合いそうかな、と。ただ、確定と言ってしまうとバトルチームから非常に怒られてしまうので、頑張ります、ということにさせてください(笑)。
- 本で殴るモーションは?
それも順調に進んでいますよ。できれば次のプロデューサーレターLIVEでアニメーションをお見せしたいですね。
βテスト
- βテストではどれくらいのコンテンツ開放か
そこはまだ公開できないのですが、物語の核心に迫るようなものは一切出さないつもりです。 あとUI周りやゲームパッドモードなどです。
FATE
テキストのプロデューサーレターで出したスクリーンショットがすごく好評だったので、キーワードだけはお話ししようと考えました。改めて説明すると、このFATEは、「この地域にNM(ノートリアスモンスター)が出現したので皆さんで倒してください」といった警告がゾーン全体に発せられて、ワーッと皆で集まり、NMを倒したらすぐ解散!その後またクエストに戻って、またFATEが発生したら集まって……。というイメージです。すごくカジュアルで、ライブ感だったり、アクティブ感のあるもの。NMのほかにも、例えば拠点に盗賊が襲い掛かってきているので撃破してくださいといったものもあります。
- ハムレット防衛にも関わってくる?
そうですね。それらが全部FATEというシステムで包括されます。イベントの近くにいると自動的に全員がグループとみなされるので、いきなり敵を殴り始めてOKです。パーティに入るとか、誰かに誘ってもらうのを待つといったことも必要ありません。いきなり殴りかかったり、近くの人を回復したりするだけでも大丈夫です。
- 報酬の分配は?
個人単位です。参加した全員に対して、ひとりひとりにシステム側が分配するので、取り合いも発生しません。後腐れなく、カジュアルに遊べるようにしています。ただ、何もしていないキャラクターはちゃんとシステムで見ていますが(笑)。
ハウジング
ハウジング専用のゾーンがあり、最初はそこに土地だけ売られているので、家を立てたければその土地を買って建てるという感じです。Lサイズの家を立てたければLサイズの土地が必要になります。それから引越しをしたい場合は、家を建てる前の状態に戻して、ほかのプレイヤーやシステムに売却してから引っ越すという流れになります。
リンクシェル(LS)
本来LSでやりたかった機能をフリーカンパニーに持っていくので、LSはフリーカンパニーにすら縛られない人たちのチャットルームという感覚で使ってもらいたいなと思っています。フリーカンパニーは複数所属できないのですが、同盟を組むことができます。そうすることで、同盟の中にフリーカンパニーが2つ存在する形となり、普段はカジュアルな遊び方をしているフリーカンパニーだけど、エンドコンテンツもプレイしたいという場合は、同盟を組んでいる別フリーカンパニーに、ゲストといった形で参加することもできるようにしています。
ノベライズ化
- ノベライズ化などは?
現時点ではあまり考えていません。というよりも、優先度の問題です。それらに関しては、結局ビジネスになるかどうかだと思いますので、コミュニティ数が増えた段階で検討すべきという考え方です。それが、投資という意味なら今すぐ始めても構わない。仮にノベライズが赤字になったとしても、それを読んでゲームを始めてくれるお客様がいれば、クライアントの購入やプレイ料金をお支払いいただくことで、プロジェクトとしては赤字ではなくなります。 ですが、今ノベライズすることで何か利益が出るかというと、単体では出ないと思うんですよ。そのためご質問に対しては「今はやりません」が答えになってしまいますが、ノベライズそのものをやらないかというと、そんなことはありません。お客様が喜んでくれて、みんながハッピーになること、効果のあることなら何をやってもいいと思っています。今グッズを作っていないのもそれが理由です。
というよりはお客様も、ビジネスも含めてハッピーになれるかどうか、です。時期が来たら何をやってもいいと思っています。
電撃オンライン
P/D兼任・リローンチ
経験という部分で、これから僕があと何年現役で仕事をするかわかりませんが、これ以上の喜びも苦労もないのかなと。でも、もう二度とこんな仕事できないと思います(笑)。あとは、これでようやく『新生FFXIV』に集中できるという喜びも、もちろんあります。
- 負けたくないこと
少し話は変わるのですが、日本全体もなんとなく「がんばっても無理なものは無理」という雰囲気があるような気がするなーと。そこはプロデューサーレターLIVEでもお話しましたが「世界で戦いたいし、負けたくない」んです。お客様に支えられて、自分たちも死ぬ思いをしてここまで来て、勝負できるだけの土台はできたかなと思います。惨敗だったら完全に僕の責任ですが、やるなら徹底的にやってみたいと思っています。
新生ストーリー
かつて第七霊災と呼ばれた悲劇がエオルゼアを襲い、衛星“ダラガブ”から蛮神バハムートが現れ、しかし何かしらのパワーによって、世界は新生された。そんな世界観でゲームが始まると思ってください。
あの惨劇から5年でどうしてここまで復興しているのかなどは、ちゃんと答えがあります。トレーラーではプレイヤーの祈りが届かず、バハムートを再封印できなかったように見えますが、この後ルイゾワとバハムートに何があったのかが『新生FFXIV』でのメインの1つになります。
ガレマール帝国との戦いと蛮神との戦いは、微妙にリンクしながらレベル50までにエンディングを迎えて、区切りを1回つけます。ただ、蛮神との戦いはエリアがエオルゼアだけでなく周辺まで広がるタイミング、例えばイシュガルドが増えたり、アラミゴの奪還作戦が始まったりすると、新たな蛮神のエピソードが増えると広がっていくというタイプですね。『FF』なのでそこは欠かせませんから。
最後の第七霊災軸に関しては、『新生FFXIV』を連続小説と見立てた場合、第1話のファイナルエピソードという感じですね。“第七霊災完結編”的なイメージで、例えば 次の拡張ディスクでは“イシュガルドエピソード”が収録されるみたいな。時期が来れば“ガレマール帝国編”が増えたりとかですね。3本のメインストーリーの3つ目は、常に新エピソードが入るという考え方です。
「蛮神集結」のアート
- 今回公開された「蛮神集結」のアートを描いたのは?
『旧FFXIV』のイフリートなどの蛮神を描いている長嶺裕幸ですね。彼は『FFXI』でも多くのモンスターを描いているんですよ。バハムートのデザインベースは吉田明彦が描いたものを、長嶺がブラッシュアップするという形で仕上げています。ただ、僕は「今回のバハムートはメカはなしで」という話をして、もっともオリジナルに近い形の生物で、かつ拘束されていたイメージを注文しました。 どストレートに翼が巨大で、誰がみてもバハムートであり、『FF』でこの形が出たらバハムートだと言えるようにしてくれと。ダラガブから出てきたときに全員が「バハムートかよ!」と言えないとダメだと思いましたから(笑)。
NPCの吹き出しなど
海外ではNPCのセリフもボイスでやる作品も多く、初動の評判はよいのですが、冷静に見てみればやはりアップデートがカンタンにできなくて苦労しているんです。MMORPGの『新生FFXIV』では、パッチを2カ月に1回リリースするとしても4言語(日本語、英語、仏語、独語)あります。さらに軌道に乗って言語が増えたら、音声の場合は完全に足かせになります。
MMORPGにとって、パッチの更新スピードはそれこそ命綱。ここの足を引っ張るシステムなら、本当に意味がない。英語が母国言語ならまだ違いますが、我々は日本人ですし、やはり多言語対応は英語発信に比べると、遅くなってしまいますからね。だから「日本のRPGらしい表現方法は?」と考えたとき、吹き出しだったり、メッセージウィンドという表現を選択しました。
α
ちなみに制作スタッフは『旧FFXIV』と9割同じです。
α版はαブランチという1つの大きな開発の流れで進んでいて、もう1つ別にβ版の開発も進んでいるんです。 このαブランチはいわゆるパラレルワールド的なもので、あくまでサーバー的な問題やどうしても解決しなくてはいけないものの洗い出しを行い、修正もαブランチ内で行います。それで、αテスト修正時に、その部分だけをβ版にコンバートするわけです。β版は今、ものすごい勢いでコンテンツを実装し始めていて、バグの数もすごい。だから逆にβ版からα版にデータを入れようとうすると、そのバグまで持ち込んでしまう危険性がかなり高いのです。そうなると、どちらもメンテナンスしなくてはいけなくなり、ものすごいコストも時間もかかってしまうんです。
やっぱり僕からするとα版は最低ラインで、グラフィックの最終調整も終わってない状態なんです。これが『新生FFXIV』の実力かと、例えばポジティブな意味で言われるのも、少しモヤっとしてしまうんですよ。もちろん「これはないだろう」と言われている部分に関しては、こちらも最初から想定していますので当然直します。そこはβ版に期待していただければなと。
β
- βテストまではしばらく時間が空く?
ええ。さすがに1度αテストを閉じないといけません。αテストを担当しているスタッフもいて、戦力が分散されるのが一番きついんです。その間は動画や雑誌などでのPR展開をしっかりやっていきたいと考えています。プロデューサーレターLIVEで見せた、α版で使えないキャラのPRとかも含めてですね。
その代わり、テスターに応募していただいた方には、αテスト期間中にできるだけ多くアカウントを配布します。普通MMORPGのα版のログイン率は、40%から20%ぐらいに下がるのが一般的なんです。プレイできる範囲が狭いですし。だから『新生FFXIV』も最初は2ワールドでと思っていたんですが、『新生FFXIV』は60%以上でログイン率が全然落ちない。追加でアカウントを増やすと、さらに伸びて全然ログイン率が落ちなかったりします。
ワールドをもう少し追加しないと、プレイに支障が出そうです。スタッフからは「吉田さんがαテストにログインするのを止めればいいんですよ」とか言われていますが(笑)。確かにこんなαテストは普通ではあり得ませんが、これはこの2年支えてくださった方へのお礼でもありますので、3~4つにワールド数を増やすのもありかなあと。ここで一度触れて安心していただいて「たしかにこれだったらもう少し待ってもいいな」、「どこまでやれるか楽しみに見てやるよ」という雰囲気に持っていければいいなと考えています。ただ、もう少し守秘義務は守ってほしいなと。メディアさんにすらお願いしているのに(苦笑)。
基本的にはβテストのフェイズ1だけは、負荷試験の続きもあるので、少しクローズドな形にさせていただくかもしれません。ですが、フェイズ2からはとにかくアカウントを増やして、いろんな人に触れていただこうかと。
FATE
これは発生するとフィールド上にアナウンスが流れます。例えばNMのデュラハンが出現したと、プレイヤーに要請ログが流れて該当ロケーションが出ます。そして、対象に近づくと自動的に近くにいる人とパーティが結成され、ダメージの割合や参加している時間で全員が報酬をもらって、それを分割して終わりという流れです。クエスト中に移動しているとき発生したら参加して、終えたら次の場所に移動。その途中でまた発生してみたいな感じで、いろいろなところで“FATE”が起こります。
これはあくまでリアルタイムにアクティブに起きるイベントだと思ってください。パーティに誘う必要もありません。そして発生した“FATE”にはレベルが設定されているので、組んだ時点でレベルシンク(特定のレベルに統一される)になります。高レベルのプレイヤーが荒らせないための対策ですね。これはソロプレイの延長にあるコンテンツでして、ハムレット防衛(拠点を守る)もNMも、チョコボ護衛についてもこの形で登場します。
倒した瞬間に例え戦闘不能でも、報酬はもらえますのでご安心を。
(参加中の貢献度みたいなので、もらえる報酬に差が出たり?)ほとんど差はないです。さすがに、ただぼーっと立ってただけなどはシステムで見ていますが。アイテムのロールが発生するわけでもありませんし、単に人数割りなどで調整してしまうと「確率が下がるから来るな」みたいな流れになってしまうので、それはありません。いわゆるこれは『FFXI』のNMやHNMとはイメージが全然違うものです。
僕らはフィールドでライブに発生するイベントとしてとらえていて、発生待ちのキャンプをして、狩りをして、そこでいいアイテムを得るというわけではないんです。生きている世界のなかで、突然変異したモンスターと遭遇するみたいな感覚ですね。ただ、ベヒーモスのように、戦いがいくつかのフェイズに分かれているタイプも存在します。例えばベヒーモスの巣でオスを倒したら、その奥からメスが出てくるとかね。オスの時点で全滅したらそこで解散になるという感じです。とにかくワーワーやってほしいのです。人が集まってこそのMMORPGですし。
ハウジング
Sサイズの土地はSサイズの家しか建てられません。大きい家を建てたい場合は、広いサイズの土地を新たに購入する必要があります。その際、不要な土地はNPCに売却が可能です。ハウジング用の土地はインスタンス化されているので、基本的に売り切れはありませんが、最初はサーバーの負荷もあるので、建てる数に制限をさせていただくかもしれません。引っ越しするときも引っ越しNPCを使えば、丸投げしてカンタンに移動できますのでご安心を。
室内には暖炉とかの造形物だけがあるだけで、基本的に新築の家と同様に何もありません。こちらで家具を置いちゃうと動かすのが難しくなりますし。ちなみにLサイズの家になると広さもあり、専用の部屋とかも作れますよ。例えば蛮神討伐の報酬を飾るだけの部屋とか、パークとタワー(設置しておくとステータス系のメリットがあるもの)だけの部屋や、クラフト専用の部屋とかですね。
グリダニア以外の地域
グリダニアに関しては、年内にフィールドウォークスルー、ダンジョンウォークスルー映像を公開します。年明けにはPS3の映像も予定しています。リムサ・ロミンサとウルダハに関しては、もう少し引っ張ろうかなと。じつはグリダニアの評判がとてもいいので、そちらに負けたくないという意識がスタッフの間に芽生えているんです。マップ自体はほぼできているんですが、もう少し調整をかけたいといっているので、じゃあギリギリまで徹底していいよと。非常に前向きな開発姿勢ですので、お客様のためでもありますし、そこはお待ちください。
- グリダニアがすごく歩きやすくなった
グリダニアに関してはスタッフを集めて、道のテクスチャの貼り方や岩の置き方を1つ1つ、いろいろと話しながら調整した結果ですね。例えば青貉門(せいかくもん)とか名前の意味わからないし、ならばストレートに門に青色を入れればいいんじゃないかとかですね。
リムサ・ロミンサは立体階層がわかりにくい部分を修正しています。ムダにルートが長いし、行きたい建物にストレートに行けないんですよ。別の建物を通らなきゃいけないし、自分が今上層にいるのか下層にいるのかもわかりにくい。そこは床のテクスチャーカラーを変更したりといった指示を出しています。実は床のテクスチャは一番ゲームで目に入る部分なので、彩度を替えるだけでイメージが変わるんです。あとは六分儀広場が……とか、巴術士ギルドが……とか、結構ありますね(笑)。
ウルダハはシームレスなために、道が極端に長い部分はカットしてもいいねと。あとはとにかく同じパターンが多く、それによって迷いやすい状況が生まれていたので、標識を設置しています。あとはこれは3都市共通ですが、ギルドのモチーフをしっかり出すことですね。
例えばバトル系のギルドは赤とか。どうしてもアート班からは、ウルダハはウルダハのカラーでという話が上がるんですが、それは辞めてくれと言いました。ウルダハから始めた人以外がウルダハに来たとき、違う色だと迷う原因になりますからね。赤がバトルだと共通で決まっていれば、どの都市でも色を見ただけでわかるわけです。これはFFXIVの中のユニバーサルデザイン。
- ウルダハの門は?
用途があれば開けるか、それとも門自体を潰すかですかね。僕は基本的に入れないところが嫌いなので(笑)。
BGM
α版の曲に関しては祖堅です。彼はあのキャラにしてこの曲を仕上げてくるんですよ(笑)。基本的に僕は曲にすごくうるさいですし、祖堅も「負けるかあああ!」ってタイプなので、彼には厳しいです(笑)。リムサ・ロミンサの曲などはすでに4回ぐらいリテイクを出しています。「海賊の海なのに、海軍とパイレーツなイメージが曲から聞こえてこない。海と青空って単純なイメージは辞めて」とかですね。
リムサ・ロミンサの提督は女性ですが、あそこは男くさいほうが合うと思いつつ……しかしよい曲なので、最終的には祖堅に押し切られそうです(笑)。祖堅も曲にはものすごく真摯な男なので、打打発止のやり取りの方が、テンションが上がるみたいなので、いい曲が仕上がると思いますよ。
PS3
PC版のβテストのフェイズ3から合流して、PS3版のβテストが始まります。今のαテストでも「αって何?」的な方も多いですが、PS3ではさらに「体験版だよね」と考える方が多いと思うんです。「テスト? 製品版のPRだよね」と。だからまずはPC版のフェーズ1、2で調整してからPS3版は調整します。もちろん、動画はそれ以前に公開しますよ。
マクロ
こちらはすみません。マクロはゼロから作り直したので使えません。改めて『新生FFXIV』のゲーム性に合わせたマクロエディターを用意しますので、作り直していただくことになります。
現行版クライアントどうすれば?
こちらはβテスト開始時に「削除してください」というアナウンスを出す予定です。それまで不安な方はそのままでお願いします。ただ、レジストレーションコードは捨てないでください。これがないとどうしようもありませんので。
「モグモグイヤリング」
レベル20ぐらいまでのレベリングが少し早いかな、ぐらいと思っていていただければ。ガッカリするものではないのでご安心ください。ただ、これ以外にもPS3版先行予約特典やコレクターズエディションなども考えていますので、そちらにもぜひご期待ください。
- 全般的にストーリ部分が多い内容となっている。
新生FFXIV αバージョンプレイデモ Part3 「黒衣森 ウォークスルー」
- http://youtu.be/lsi6fv2srpM
- 今までに出ていなかったグリダニア地方の森をあちこち散策する内容。
- 南門(冒険者ギルドから直進する方)を出て、「バノック練兵所」などを抜けて旧ベントブランチの方に進み、滝をくぐりぬけハーストミルにたどり着く。場面が変わってベントブランチそばにあるダンジョン「ウォーレン牢獄」に入っていき、漏れている灯りを見上げたところでビデオは終わっている。
- とにかく全編にわたって開放感があり、上下差や広い空間を感じる非常に良い感じのマップになっている。現行版の暗い森を知っているプレイヤーなら驚きの連続だろう。
- 盛り沢山ですねw 自宅リテとかいろいろ楽しみです。 — 2012/11/22 (木) 18:03:40
- マップの透過機能はまだなのかな?それとも既に実装済みだけど、あえて不透過で表示しているだけなのか・・・。マップを透過させてどの程度見やすいのか見たい物なんだが・・・。 — 2012/11/22 (木) 19:02:03
- 透過は現行でも実装されてたよ。0%-100%までスライダーでいじれたから新生じゃまず大丈夫でしょ。 — 2012/11/22 (木) 19:22:36
- ミコッテのスカートが短くていいな^^ てかいい加減スクリーンサイズはフルHDで出そうぜ 毎度毎度酔うとか荒いっていう馬鹿の相手疲れる — 2012/11/22 (木) 22:08:01
- BGM、もうちょっとキャッチーなのがいいな なんかフワフワしててちょっとイラッってなる — 2012/11/23 (金) 15:22:27
- BGMなんざ延々と聞かされるんだからこれくらい緩い感じでいい ソケンはよくわかってる — 2012/11/23 (金) 22:54:49
- 吉田の話はわかりやすい 田中とはえらい違いだよ — 2012/11/24 (土) 00:25:25
このニュースをどう思いますか?【 y 20 : n 5 】