吉田直樹&ひろゆき対談

吉田直樹&ひろゆき対談

  • 昨年末のニコ生でのライブ後に、吉田Pとひろゆき氏(ニコニコ動画管理人、2ちゃんねる創設者)の対談が行われたようで、ガジェット通信に載っている。
  • 内容はFF14新生エオルゼアに留まらず、吉田Pの高校生時代のバイトで学んだことなどを始めとして、ターゲット客層の成長や、ドラクエでの年少客層への拡大とドラクエ9での刈り込みなど、いかにプロデュース&ディレクションの能力を身につけたかという話は多岐にわたり、非常に興味深い。
  • ここでは、FF14新生エオルゼアに関する部分だけ抜粋したい。

携帯ゲーム機対応

これだけ通信環境が発達している日本ですら、まだ地下鉄で携帯がつながらないところも沢山あるし。ソロプレイ(オフラインプレイ)だけなら問題ないですけれど、オンラインは回線切断の問題がありますし、日本だけのシェアで(モバイルへの)投資が見合うのかっていうあたりは、ここから先シビアに見ていかなければならない

自分のキャラクターデータだけをサーバーにアクセスしてサーバーから取ってきて、例えば自分のキャラのデコレーションだけできるとか、手に入れたことのない装備を着せ替えしてみて「将来こうなりてぇ!」っていう遊び方、風景写真と合わせてフォトカードが作れるとか、『新生エオルゼア』の窓の1個として使うのなら多分(可能性はあります)。

世界と日本ってどれくらいの比率を想定

やっぱり半々ですね。MMORPGというジャンル自体がアメリカ発祥のジャンルで、プレイヤーの最大勢力もアメリカなので、そこが獲れないとそもそも話にならないと思っています。

日本でMMORPGというジャンルが、もう一段メジャーになる為には、いくつかの壁があると思っています。1つは言葉の壁。もう1つは資金面。

小さいキャラがわさわさいるような方向にいかない?

いかないです。一度ローンチしているタイトルですし、新生といっても絶対的な賞味期限があります。同じFF14で立て直してみせるって選択をした以上、僕は(賞味期限が)2年ちょっとだと思っていました。MMORPGの平均制作年数って普通5年なんですが、それを半分以下でゼロから作り直して、大作と肩を並べるところまで(品質を上げて)って考えると、ベースのFF14から取捨選択の必要があって。

でも僕自身思っていますが、世界的にマーケットを見渡した時に、FF14ほどMMORPGとして、キャラクタークリエイションとキャラクターグラフィックスに凝ったゲームってないんですよ。この等身、このリアルさ、この装備の質感、この品質で何年も愛着をもってゲームができるのはFF14だけだろう、ここは間違いなく勝てるだろうと思っているので、そこは逆に強みにした方がいいだろうと思っています。

グラフィックでの差別化

そこはFFが背負っている宿命なのかなとは思っています。今年一年、海外のイベントで現地のFFファンと話す機会が多かったんですが、FFシリーズの印象というのは世界共通で、やっぱりグラフィックスとストーリーとキャラクターが衝撃だって言われるんですよね。「もう一回竜騎士でプレイしたい!」、「チョコボに乗りたい!」って欲求が皆ストレートなんですよね。じゃあ全部入れればいいじゃんって感じですね。

顧客も成長した

でも、それくらいお客さんも育ってきちゃったので、今後はそれぞれの世代にあったインパクトがないと、ちょっと難しいんだろうなって思っています。まさしく社会に出る前の感覚と、世間の現実を知ってしまった後では、ストーリィやキャラクターから受ける「リアリティ」は全然異なるので。ただ、FFの路線の中には、絶対ジュブナイルとして必要な部分があるだろうと思っていて。今回のFF14でやろうとしていることに、もう一方システムであったり、ハイファンタジーで遊べる『ファイナルファンタジーⅠ~Ⅴ』ぐらいまでの懐かしさを感じながらやれた方が、シリーズ全体のバランスとしては、いいんだろうなって思いもあります。

ターゲットの年齢

結構高いですよ。コアになるのは20代中盤から30代までぐらい、あとは大学生ですね。実はそこが毎日1時間とか2時間でもコツコツやってくれる層でもあるんですよ。

FFブランド

FFは割と本編が自由で。例えば放送前にひろゆきさんが「特に規制がないなら、FFでクリスタルを食って体力回復する、というのもアリなんですか?」って、それに対して「いいよ」って言える土壌で作ってきたのが、FFだということに、今回担当して気付かされました。どちらかというと「好きにやればいいじゃん」になっちゃってるので、IP(知的財産)コントロールが苦手なんですよね。その代わり、このFFは誰々さんのアイデアでって作家性が実は強い。だから包括して、ブランドとして底上げをしてかなきゃみたいな所は、ドラクエと比べると、ちょっと遅れてる部分はあります。それがこれからのうちの課題だと思います。

2ちゃんねる

僕、これまでは殆ど2ちゃんねるを見てなかったので、噂に聞く程度しかそこは無いんですよね。今回FF14でオンラインタイトルを見るようになって初めて、というところが大きいですね。ゲーム開発で2ちゃんねるを見ると、心が折れるので(笑)。もちろん良い意見も沢山あるんですけど、やっぱり人間って弱いので。いい意見10個に対して、1個ネガティブなものがあると折れたりするじゃないですか。僕は(それに対して)「折れるくらいなら、最初から見なければいいじゃん」って方だったので。今ではFF14を背負っていて、真逆になっちゃってますが。

FF14をやってみて予想が当たる時と外れる時の落差が凄い

今年の夏に「リミットブレイク」っていうパーティーで大必殺技を放つシステムがあって、βのフェーズ3からシステムとして開放されるんですけど、そのトレーラーを作ったときに、全て、インゲームの素材で作ってと(オーダーをしました)。FFってCGバリバリのPVが割と多いんですが、今回は全部インゲームの素材だけにしようと作ったんです。ただ、新生FF14が製作途中ということもあって、細かい点でギリギリまで「納得が行かないなぁ」とか結構あったんですよ。「やっぱりFFって、もっとこうじゃないと」みたいな。修正で無茶なお願いしたりして、担当には迷惑かけました。で、出したら、まったく杞憂なくらい評判が良くて。どこがくすぐるポイントなのか、分からないなぁ本当に、って思いました。それが所謂ジュブナイル的なFFのファンの人達は見てないからなのか、ゲーマーとしてのFFユーザーが「いい」って言ってくれているのか。でも、ジュブナイル的なFFのファンの人達も獲っていかないと、ビジネスとして成り立たないのかどうか、っていうところで凄く迷った点だったんです。

CG

この前の「時代の終焉」のトレーラー作ったときに、CGでやるからには、CGでしか出来ないことをやるべきだって話をして、コンテを切ってビジュアルワークスと打ち合わせもして。やっぱり如何にハードウェアが進んでも、あの群集を動かすことは不可能だし、あの巨大な惑星から、あのクオリティーのバハムートが飛び出してきて、世界を焼き尽くすって、正直言うとリアルタイムで作るよりもCGで作った方がまだまだ安いんですよ。

CGを求めてるFFファンというのもいますし、海外から「これぞFFのムービーだ!」という意見もありました。ニコ動さんにも転載されたやつのコメントに「スクエニの本気を見た」って書かれてたり、「これぞFFでしょ」って書かれてるのを見て、嬉しかったですね。

まだまだ、FFにしかやれないCGも作れる。それでイメージ喚起したものが(ゲームで)実体験できることが大事。あのバハムートと戦えるんだよね、って。こけおどしじゃないんだよね、って。それを僕らがゲームの中でコンテンツとして実現できれば、「詐欺」ではないんだろうと思っています。今、丁度バハムートのダンジョンの追い込みに入るところなんで(笑)


  • インタビューの本筋は、ひろゆき氏の独特の感性でのゲームビジネスへの切り込みにある。この部分は、ビジネスとしてのネトゲ開発のノウハウをどのように習得してきたかという吉田Pの生い立ちから始まり、現在の「FF」や「ドラクエ」の立ち位置、25年以上続くブランドを守り回生させるための努力など興味はつきない。
  • ただ現行版の改修はともかくとして、吉田Pの真価が問われるのは新生エオルゼアであり、その評価も今年夏までにはほぼ決まっていると思われる。もちろん、仮にスクエニがトップブランドでかつ巨大な資金人材を投入してでも達成できなかったとなれば、この規模での国産MMORPG開発が当分行われることがないこともはっきりしている。吉田Pにかかるプレッシャーは半端ないだろうが、頑張って欲しい。

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