楽器演奏に関するお約束

吟遊詩人レベル30で習得可能になる「楽器演奏」について、ゲーム内外でのお約束があります。

漆黒以後に開始したプレイヤーも多くなっていると思われますので、もう一度確認してみましょう。

※楽器演奏機能については「楽器演奏」を参照して下さい。

最初の発表

楽器演奏が最初に発表されたのは、2017年9月に行われた「4周年 14時間生放送」の中の「第38回FFXIVプロデューサーレターLIVE」においてです。

放送部分を確認してみましょう。

まず最初に「法務確認やら特許確認をやってきたのでいえなかった」といっています。
次にロールプレイのため吟遊詩人レベル30で開放という説明や、ホットバーに登録して演奏するという説明がされます。
その次に、コンテンツじゃないからそんなものよりコンテンツをというお声もあるかもしれないが、これからFF14を生活感を感じられるようなタイトルにしていきたいとの決意も語られています。
似たような話は、つい最近「オーシャンフィッシング」でも言っていました。プロデューサーの私(吉田P)がいうのもなんですが、なくていいコンテンツですと。ただコンテンツ攻略の合間などにゆっくりと楽しんでほしいと言っていました。
楽器演奏は、こういう「生活感」を感じられるコンテンツ(機能)群導入の最初のものだったということになるかと思われます。※ただしグループポーズなど楽器演奏以前から細々とあるとは思いますが。

 

さらに注意が語られています。

  • できればFF14の曲を演奏して欲しい。
  • 特に(生放送、動画共有サイトなどで)公開する場合にはご注意ください。
  • あまりアレであれば機能封鎖の覚悟もあります。

プレイヤーに語りかけるプロデューサーレターライブであるためやんわりと説明していますが、要するにFF14じゃない曲を演奏して、それを生放送や動画アップロードされるとスクエニとしては非常に困ることになり、その程度によってはせっかく実装した「楽器演奏」機能を廃止せざるを得ない可能性も検討した上で実装したことがわかります。

パッチノートでの記載

楽器演奏機能が実装されたのは、2017年11月のパッチ4.15です。

4.15パッチノート公開! | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone

4.15パッチノート公開! | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone
4.15パッチノート公開!

該当箇所を引用します。

楽器演奏を使って第三者の権利を侵害する楽曲を演奏することは固く禁止されています。

ファイナルファンタジーXIV著作物利用許諾条件に従う限り、ご自分の演奏を記録してアップロードすることができますが、同時に、ご自分の演奏を他のユーザーの方が同様に利用することにも同意いただきます。

上記PLLでの吉田Pの発言を規約的に記載するとこうなるということです。

一文目はゲーム内での演奏に関する規定で、第三者つまりスクウェア・エニックスが権利を保持しない楽曲の演奏を禁止するものです。

二文目は生放送や動画アップロードに関する話で、この場合さらに厳しい内容になるということです。

 

なおこの同意は、ゲーム内で楽器演奏を習得するときにも表示され、同意が求められます。

GX42cSz.jpg

あなたが覚えていようがいまいが、スクエニとしては各プレイヤーの同意を得ていることに注意しましょう。

演奏して良いもの

じゃあ結局何を演奏していいの?という話です。

予め断っておきますが私自身は弁護士でもなく、スクエニ関係者でもなく、いちプレイヤーに過ぎませんので、以下で述べる内容はいかなるものも保証するものではありませんし、下記を根拠にスクエニや法務関係者に楯突いてもまったく無意味です。
もし疑問点や不安なことがあればそれは止めたほうが良いでしょうし、どうしても気になる場合には公式フォーラムや公式サポートに確認してみるのも良いかもしれません。

 

まずFF14には「ファイナルファンタジーXIV 著作物利用条件」というものがありますので、確認しておきましょう

ファイナルファンタジーXIV サポートセンター

SQUARE ENIX サポートセンター - ファイナルファンタジーXIV

この第二条に「利用できる著作物」が明記されています。楽曲が明記されていますので少し長くなりますが引用します。
※説明の便宜上、原文にはない項番を振り、除外曲について赤字で示します。2020年5月時点での規約です。規約は随時更新されています。

2. 利用できる著作物(以下「本著作物」といいます)

  1. ファイナルファンタジーXIVファンキット
  2. ファイナルファンタジーXIV公式サイト、公式フォーラム、および関連サイト内に掲載されているテキスト・情報・画像・動画(Answers/Dragonsong/Revolutions(アレンジ曲含む)が使用されているものは除く)
  3. ファイナルファンタジーXIVゲーム内に表示されるテキスト、ゲーム中で撮影されたスクリーンショット、およびゲーム内で撮影された動画(外部ツール等を利用して、データを改ざんしたものは除く)
  4. ファイナルファンタジーXIVゲーム内で使用されている楽曲、音楽データ(Answers/Dragonsong/Revolutions(アレンジ曲含む)は除く
  5. 以下のファイナルファンタジーXIVオリジナルサウンドトラック内の音楽データ
    FINAL FANTASY XIV バトルトラックス/FINAL FANTASY XIV フィールドトラックス/FINAL FANTASY XIV Frontiers/Before Meteor:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack(Answersは除く)/A REALM REBORN: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack/From Astral to Umbral ~FINAL FANTASY XIV: BAND & PIANO Arrangement Album/Before the Fall: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack(Answers – Repriseは除く)/FINAL FANTASY XIV: Heavensward -EP-(Dragonsongは除く)/Heavensward: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack(闘争/誤想/Dragonsongは除く) /FINAL FANTASY XIV : Duality ~Arrangement Album~/THE FAR EDGE OF FATE: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack(ボーナストラック内のDragonsongは除く)/FINAL FANTASY XIV Orchestral Arrangement Album/Untempered: FINAL FANTASY XIV Primal Battle Themes/Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album(Answers/Dragonsongは除く)/THE PRIMALS/STORMBLOOD: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack(Revolutions/贖いの果て~絶バハムート討滅戦~/月下美人~蛮神ツクヨミ前哨戦~は除く)/Time and Again FINAL FANTASY XIV Raid Dungeon Themes(Answers/贖いの果て~絶バハムート討滅戦~は除く)/FINAL FANTASY XIV – The Best(Dragonsong/Answers – Reprise/Revolutions/ボーナスムービー内のAnswersは除く)/Piano Collections FINAL FANTASY XIV/FINAL FANTASY XIV: STORMBLOOD -EP-/Journeys: FINAL FANTASY XIV Arrangement Album(Revolutions/Answers/Dragonsongは除く)/SHADOWBRINGERS: FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack/FINAL FANTASY XIV Orchestral Arrangement Album Vol.2/Eorzean Symphony: FINAL FANTASY XIV Orchestral Album Vol. 2(Dragonsong/Revolutionsは除く)/FINAL FANTASY XIV: SHADOWBRINGERS – EP/THE PRIMALS – Out of the Shadows

※上記以外の著作物の利用はできません。

※「ファイナルファンタジーXIVゲーム内で使用されている楽曲、音楽データ」と「ファイナルファンタジーXIVオリジナルサウンドトラック内の音楽データ」の内特定のタイトルについては、別紙に定める条件が適用されますので併せてご確認ください。

とくに楽器演奏に関するのは、4項(ファイナルファンタジーXIVゲーム内で使用されている楽曲、音楽データ)、5項(以下のファイナルファンタジーXIVオリジナルサウンドトラック内の音楽データ)です。要するに

  1. FF14のゲーム内で使用されている楽曲はOK
  2. FF14のサントラなどとして発売されたアルバムに含まれている楽曲もOK
  3. ※ただし、いわゆるテーマソング(Answers/Dragonsong/Revolutions)を含む一部楽曲については、アレンジ曲含んで禁止のため注意が必要

ということになります。

平たく言えば、第三者(つまりスクエニの中でも、FF14に関するもの以外)が権利を保持している楽曲はすべて禁止ということです。FF14の動画配信(生配信含む)をされている方は既にご存知のことでしょうが、楽器演奏をする場合にもこれらが関わってくるということです。

実際の所どうなの?

いくらなんでも厳しすぎないか?ということを感じる方がいるかも知れませんが、規約上はこうなっています。

なぜこれほど厳しいのかについて考えてみましょう。

ゲーム内での第三者の存在

ここからはあくまで個人的な考えですが、恐らくこれは生放送(配信)や動画アップロード(公開)を考慮したものであり、万一の場合、(演奏したあなたは当然として)演奏ツールを提供したスクウェア・エニックスに対しても責めが生じる可能性があることから厳しくせざるを得ないのだと思われます。

あなたが生配信・アップロードしなくとも、MMORPGというものは常に周囲に他人がいる”可能性”があり、その人が生放送配信や動画アップロードをすると、意図せずに配信されてしまう”可能性”を秘めています。この場合、あなたとその配信者との関係をスクエニ側で感知することは出来ません。結果的には、それを演奏していたあなたが責めを負うことになるわけです。だから止めましょうという話です。

配信設定で限定している、鍵をかけている、URL公開先を限定しているなどという言い訳も、同様になんの言い訳にもならないということはおわかりいただけるかと思います。万一漏れた場合に、それを意図していたか意図していなかったかはあなた以外の誰にもわかりませんし、その責任はあなた自身が負うことになります。

ましてやそうした行為が蔓延してしまい、スクエニ側がそれを放置していると世間に認識されてしまったと「仮定」してみると、それは上で吉田Pが述べた「最悪の場合」ということにつながってきます。当然そうなれば演奏廃止の廃止になるでしょうし、その程度によっては楽器演奏にとどまらず「FF14自体のサービス停止の可能性」すら出てきます。

過去に有名な「Winny事件」というものもありました。知らない方はWikipediaで調べてみて下さい。同事件は結果的には無罪になりましたが、裁判沙汰になったことは提供する企業側としては警戒するに十分なものです。最近では、任天堂の「あつまれ どうぶつの森」での中国でのマイデザイン騒動が現在進行形であります。いかなるものであれ、製造したものがどのように利用されうるかについて、企業側は注意を払い対策することが要求される世の中になっています。

だから、規約上は厳しくせざるを得ないのです。

人がいる可能性を考えれば、スクウェア・エニックスの中でもFF14チームが権利を保持する楽曲だけしか演奏しないでね、ということになります。

観客が居ない場所ならそれ以外の楽曲もOKなのか?

次に、「じゃあ誰も聞いてなければOKじゃないの?」という話を整理していきましょう。

上記、他プレイヤーの存在可能性を考えれば、フィールドや街中は、いつどこに他のプレイヤーがいるのかはわからないため、基本的に許諾されている楽曲以外はアウトになります。

ただし、「生配信・アップロードをしない場合での、宿屋内」はシステム的に第三者が聞けないため恐らくOKでしょう。

クドいようですが、生配信しながら宿屋で演奏すれば当然アウトですし、録画してアップロードするのも当然アウトです。とにかく他人の目に触れる場合はダメになります。友人1人なら良いんじゃないのか?(いわゆる私的利用の範囲)という議論については、グレーというしかありません。

 

似たところでFCハウジングがありますが、いくらソロFCであっても他人が入れる可能性がある以上まずいと思います。

ハウジングには他人が入れないような設定ができますが、それを設定できているかどうかはあなた次第ですし、それが意図せず設定漏れしていたのか、あるいは意図的に設定漏れをして演奏を垂れ流そうとしたのかはスクエニ側にはわかりませんし、あなたの主張に関わらず規約に照らして処分するしかありません。

じゃあ演奏するなってこと?

上で紹介した第38回PLLでの吉田Pの発言ではそこまで厳しく感じなかったよ?という方もいるかと思います。

私も個人的にはそうではないと思います。

そこは、お互いに一線を越えないように努力しながら楽しみましょうということだと思います。

スクエニ(吉田P)としても、FF14の世界を楽しんでほしいからこそ、バトルコンテンツだけではなくプレイの幅を広げる意味でエオルゼアでの生活感を感じて欲しいからこそ、楽器演奏機能をコストを掛けて検討し、実装したわけです。この意図はきちんと汲み取る必要があると思います。単純に楽器演奏機能を実装したわけではないのです。

ただ、これも上で書いたようにその演奏機能をどのように使うかはプレイヤー次第であり、様々な考え方のプレイヤーがいる以上、ただでさえ露出が多く目立つ企業であるスクウェア・エニックスとしては、規約上厳しくしておく必要が当然ながらあります。

似たものでは、PVPコンテンツにおけるチャット制限(ウルヴズジェイル)やアイテム使用制限(FL・RW)があります。当初は開放していたものの、プレイ実態を見る限り禁止せざるを得なかったわけです。

 

上でクドクドと書いてきたことを頭に入れつつ、節度を持って楽しむことが恐らく実装した意図だと思います。

なお上でも書きましたが、私自身は弁護士でもなく、スクエニ関係者でもなく、いちプレイヤーに過ぎませんので、上で述べた内容はいかなるものも保証するものではありませんし、上記内容を根拠にスクエニや法務関係者に楯突いてもまったく無意味ですし、何の効果もありません。
私の理解の範囲で十分説明したつもりですので、これ以上は、あなた自身が考え、ゲーム内とはいえ常に第三者が存在することを頭に入れつつ、節度と責任を持って行動するようにしましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました