ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス 1日目
公式サイト
「ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス」 タイムスケジュール&ストリーミングURL公開! | FINAL FANTASY XIV, The Lodestone
視聴方法
※本放送は、ライブ配信サービス上でのミラー配信を許可いたします。
タイムスケジュール:2023年7月29日(土)
各ステージイベントの開催時間は、すべて日本時間での表示です。
※開始時間は変更される場合があります。
- 2:00 – 3:30 基調講演
プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹が、「FFXIVの今後の新展開」についてお話しします。
- 5:00 – 6:00 コミュニティパネル
コミュニティで話題になったアップデートなどを中心に、北米コミュニティチームならではの視点で「FFXIVのこれまで」を振り返ります。
- 6:00 – 8:00 開発パネル
シニアストーリーデザイナーの石川夏子が、「暁月のフィナーレ」の物語について解説します。
- 9:00 – 10:00 コスプレショー
好きなキャラクターになりきったり、お気に入りの装備をまとったり……。 プレイヤーの皆さんによるFFXIV愛にあふれたステージです!
- 11:00 – 12:00 ピアノコンサート
ピアノアレンジされたFFXIVの楽曲をKeikoさんの演奏でお届けします。
※ピアノコンサートのストリーミング配信はありません。
基調講演(1日目 2:00 – 3:30)
プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹が、「FFXIVの今後の新展開」についてお話しします。
トレーラービデオ
新拡張パックタイトル「黄金のレガシー」(Dawntrail)
2024年SUMMER発売予定!!
そして非常にオーランド・ブルームっぽくなったヒロシ。口角の上がり具合まで似ている気がする…
演者
基調講演
- テーマカラーはゴールド。
- 発売は2024年夏。
- 夏の出来るだけ早い時期に出したい。
- 皆さんへお届けするのは、英雄への最高の冒険と夏休み。エンドウォーカーとの落差が激しいが。みなさんにそろそろ旧家をお渡ししたいなと思います。新たなる冒険、バカンスの舞台は新大陸「トラル」になる。
- とある人物(セリフで「アタシの生まれ育った大地」と喋っているので女性か?)の来訪を受け、そこで依頼されるのは新大陸の王を決める継承の儀式への助力。
- アルフィノ、アリゼー、エレンヴィルとともに海を渡る。そこで待ち受けていたのは、”暁”を二分しての苛烈な王位継承レースであった。
- ただしトレーラービデオを見ると暁のメンツが登場しているので、後ほど合流すると思われる。
テーマの整理
- 王位継承レースとは?
- 新大陸とは?
- そして「黄金郷」とは?
新大陸トラルとは
- 三大州を越えて新大陸に冒険を広げる
様々なポイント
プレイヤータウン:トライヨラ
- ヨカ・トラルにある「トライヨラ」になる。天野氏によるロゴにも描かれている。
- 多文化・多民族
- トライヨラ連王国の首都。現在の王は”グルージャジャ”で、双頭のマムージャ。このグルージャジャが座る王座に、次に座ることになる人物を決めるのが王位継承レース。
- オールド・シャーレアンと海路で繋がっている。
- スクリーンショット。グラフィックスアップデートの効果もあり、オブジェクトが増えて影の効果もかなり出せている。もう一枚。港から進んだ日中の市場。三枚目は夜のトライヨラ。水着をお忘れなく。
新しいフィールド:オルコ・パチャ
- ヨカ・トラル地方のオルコ・パチャというエリア
- ヨカ・トラル地方の山岳地帯。小柄な民族と大柄な民の集落が点在している。
- 1000年以上前のトライヨラ成立以前に、ヨカ・トラルをまとめていた巨人種族の国の中心地であった。
- スクリーンショット。異文化の雰囲気が出ている。これもグラフィックスアップデートの効果が出ている。左下の植物などはその恩恵で作れたもの。
- もう一枚。これも質感などが上がっている。テクスチャ解像度も上がっている。高地でちょっと涼しい感じになっている。
新しいフィールド:ヤクテル樹海
- ヨカ・トラル地方のヤクテル樹海。トライヨラからは気球に乗ってたどり着く。
- 高レベル帯と低レベル帯に分かれている。両方でかなり雰囲気が異なる。
- ロスガル族の集落とマムージャ族の集落が存在する。セノーテが存在する。
- スクリーンショット。夕暮れ。森の密度もこれまでは出せなかったもの。食文化も作り込んできた。もう一枚。集落を上空から見たもの。
新たな友好部族:ペルペル族
- ペルペル族(Peliperu):
- オルコ・パチャに住まう小柄な民
- 常に特徴的な仮面を着用している。
- 商売が得意で、アルパカの背に乗って大陸を旅している。
- 茶やコーヒー、メスカルなど様々な飲み物を作る民
7.0全体のダイジェスト
- レベルキャップが90→100と3桁になる
- すべてのジョブに新しいアクションを追加。ギャザラークラフターもレベルキャップ100になる
- 新しいジョブ:
- 2ジョブを追加する(two jobs)
- 今日は何のジョブなのかは言えません ※欧州ファンフェス、東京ファンフェスで1ジョブずつ発表じゃないかと思います
- ロールは、2ジョブともDPS。メレーとキャスターを追加。ヒントはTシャツ。映画「タートルズ」のTシャツを着ている。
- FATE、モブハント、トレジャーハント、レベルアジャストクエスト、新ダンジョン
- 新しい強敵(蛮神戦)
- ノーマルとハードがある
- 幻獣ヴァリガルマンダ
- どういう形で対峙してくるのかお楽しみに
- コンテンツサポーター
- 7.0メインクエストには対応。それ以外に、色々なアップデートがあるがストーリーに関わるので詳しく言えない
- 新しいメンバーが来る。
- 新しい新装備、新クラフト:新大陸にいくので渋めが多い
- 生活系大規模コンテンツ:新しい生活系コンテンツ。企画進行中なのでお楽しみに
- 新しいヴァリアントダンジョン、アライアンスレイド(7.1から)、8人レイド、絶シリーズレイド
- 新アライアンスレイド:よりファイナルファンタジーらしいものになるのでお楽しみに
- PVPアップデート
- ライバルウィングズ、フロントラインの新マップ
- コンテンツ継続アップデートの一覧
- 青魔道士、ヒルディブランドシリーズ、ディープダンジョン、ゴールドソーサーアップデート
システムアップデート
第一次グラフィックスアップデート
- 現時点での「途中経過」報告
- 細部はまだ変わる
- コンセプト振り返り
- ”画面全体の美しさ”を追求する方向
- キャラクター、影は高解像度化
- 質感の向上
- 皆さんのイメージを大切にしながらアップデートを行っていきます。今までプレイしてきたキャラが変わらないように、フォトリアルではない方向性。
- キャラでの変化
- 髪の毛
- 眼球の質感
- 武器:
- 非常に数が多いため、7.1以降も順次武器のアップデートを行っていく ※7.0時点ではアップデートされないものもある。
- NPC:
- めちゃめちゃキレイになる奴と、そのままの奴が混在する状態になるが、徐々にきれいになるので待って欲しい。テレジ・アデレジなどはキレイにならなくてもいいが、プレイヤーアセットで組まれているので自動的にきれいになってしまう
- 7.0エリアなどはきれいな状態。さらに2.0エリアも最初に対象となる。その後のパッチでその間のエリアが順次対応していく予定。
- マップ:
- ライティング、メタル系で違いが出てくる
- マップも新しいエリアから対応する。7.0エリアは格段にきれいになっている。手前の旧エリアについては影やライティングについては自動的に(7.0時点で)変化する。オブジェクト数などを増やすのは少しあとになる
- 植物:
- 下草のアップがジャギーになってしまうが、それが大きく変わる
- 下草は自動的に変わるが、ブドウのポリゴン数は変わらない
グラフィックスアップデートによる他のメリット
- 染色システム:
- 染色箇所を増やして欲しいという要望が根強くあったが、2か所まで染色可能になる
- 一部のハウジングアイテムなどは難しいが、多くの装備アイテムで増やしたい
- 7.0リリース時に全部は難しいが、間に合わなかったものも順次対応予定
- 特殊装備メガネ枠の追加:
- 頭装備と同時に装備可能な特殊装備枠ができる
- ファッションアイテムとしての実装なので、パラメーターはない。
- 家具配置数の増加(7.Xのどこかで)
- 7.0ではない。
動作環境変更
- Mac版は現在検証中。固まったら公開します
- PS4は継続サポートするのでご安心を
小ネタ
- ホワイトボード機能:ゲーム中でコンテンツ攻略を話し合う場合に利用可能なもの。
6.Xシリーズでのお知らせ
7.0に関する情報は以上ですが、6.Xシリーズで変化するもの
フリートライアルの範囲拡大(紅蓮まで)
- 「紅蓮のリベレーター」まで範囲拡大する
- パッチ6.5リリースと同時に適用される
フォールガイズ(Fall Guys)とクロスオーバーコラボ
- まずフォールガイズの世界にFF14のキャラクターが登場する。8月22日~10月3日まで
- 続いてFF14のゴールドソーサーにフォールガイズを疑似体験できるコンテンツが実装される。最大24人でプレイ可能になる予定。パッチ6.5X中に実装予定
スペシャルゲスト:マイクロソフトゲーミングCEOのフィル・スペンサー
- Xbox版リリース予定!
- クロスプラットフォーム対応
- パッチ6.5中にオープンベータ
- パッチ7.0も同時リリース、(他プラットフォーム同様に)ダウンロード版のみリリース
開発パネル(1日目 6:00 – 8:00)
シニアストーリーデザイナーの石川夏子が、「暁月のフィナーレ」の物語について解説します。
登壇:吉田P、石川夏子氏、アイミさん(通訳)、ケイトさん(主に英語ローカライズ、通訳)
吉田:以下では、「暁月のフィナーレ」を振り返って、どのようにしてメインクエストストーリーが作られていくのか、その英語翻訳をどう組み立てていくのか、「注釈(アノテーション)」という細かい表現を交えながら、ストーリーの組み立て方などがわかりパネルになる。
石川:新生のころからFF14開発に参加し、サブクエストやメインクエストを担当してきた。ちょうど10年ということになる。※シニアストーリーデザイナーの肩書。
大きなところでは「漆黒のヴィランズ」と「暁月のフィナーレ」のメインシナリオを担当した。6.1以降は「次元の狭間オメガ番外編」や「オルト・エウレカ」などのサブクエストを書きつつ、シナリオの監修やチームの運営補佐をしている。6.5でもお得意様クエストなどいくつかを執筆している。
吉田:簡単に言うと、さらに出世をして書くだけじゃない仕事が増えつつも稼働時間はあんまり減らないと。
アノテーションの例
こちらが私が現在使っている執筆環境「秀丸エディタ」の画面です。1日10時間ほどこの画面を睨んで仕事しています。表示されているのはラヴィリンソスでカエルになってエレンヴィルを追跡するシーン。
ここではカエルになってしまっている暁たちがどのようなことをしているのかの「注釈」をしている。この赤い部分が注釈。
こういった(スクエニの開発チーム内の)翻訳者や(カットシーンなど)演技付けをする人との認識共有のために書き込んでいる情報を「注釈」と呼ぶ。
吉田:メインシナリオを書く上で、単純にセリフだけを書いているわけではなく、「このセリフはシクスピアのあの作品のあの1小節を引用したセリフです。」みたいな”注意書き”を、翻訳者さんに伝える目的がある。それ以外でも「このセリフはこういう気持ちで話してます。」、「このセリフはパッチX.Xのあのセリフをオマージュしてます。」というように、作品全体をクオリティ高く作り上げるための「メモ」でもある。
暁月のフィナーレでのナレーションに込めた意味
今回はその注釈の中からいくつかをピックアップしながら暁月のフィナーレを振り返ってみるというパネルになっています。
※エメトセルク自身は「漆黒のヴィランズ」のラストで死んでおり、魂だけが星海に戻っている状態
ウルティマ・トゥーレ到着時のナレーションで気づいた方もいるかも知れないが、暁月のフィナーレのナレーションは、”星海にいるエメトセルクによる実況中継”という形になっている。なのでエルピス編だけナレーションがない。しかしそうして実況することでエルピスで起こった出来事はしっかり思い出している。
まずオールド・シャーレアンに向かう船の中で流れるカットシーンムービー(エメトセルクは登場せず、暁たちが船に乗って移動する一連のシーン)がエメトセルクのナレーション付きで流れる。あのセリフの背景について。
※この2つについてそれぞれ見ていく。まずは上のパラグラフ(それがやがて~)について。
吉田:あのエメトセルクって星海から見ているが、独り言なのか、あるいは隣にヒュトロダエウスが居る前提でしゃべっているのか?
基本は演劇好きの彼がつらつらと自分の心の中で思っていることだが、途中でヒュトロダエウスがゾディアークの魂から開放される。その後合流してからは一緒に喋っている。
エメトセルクは(カイロスによって)失われたエルピスでの記憶も含め、終末の真相を思い出しながら語っている。日本語では「私たち」になっているが、あれはすべてを理解した上で星海から行く末を見守っているヴェーネスを指している(つまり、エメトセルク、ヒュトロダエウス、ヴェーネス)。英語版では直接”We”を使っておらず工夫されている。それは続くセリフにヴェーネスっぽい言い回しを入れることで、「私たち」を表現している。
次のパラグラフ「星と命の沈む海底に真実は待つ」。終末の経緯を思い出しているエメトセルクのセリフであり、”星と命の沈む海底”とはここでは2つの意味を持っている。
- ひとつは「星海」のことを指しており、その最奥で待ち受けるヴェーネスを示している
- もうひとつは絶望のうちに死んだ生命たち、星の残骸が漂う宇宙のことを指している。その果てで待ち受ける終焉を謳うものを示している
吉田:結末がしっかり出来上がっている状態からテキストを起こしていくので、その2つの意味をちゃんと最初で示せている。
暁月のフィナーレの始まりと終わりの話が出たので繋がる話をするが、前々から(ファンフェスなどで)月に行く月に行くと言ってきたが、まさか本当に宇宙に行くことになるとはという感じ。
吉田:ファンフェスなどで~~に行くぞといってからそこに行くのに、そこに行くぞって言ってから(さらに)その先に行く事が多い。アラミゴ行くぞと言ってからひんがしの国に行ったりとか。今回もレベル83くらいで月に行った。
月に行っちゃったらその先に行くしか無いという感じだった。
吉田:(宇宙まで描いちゃったので)この後どうするか。マルチバースだと言っとけば大丈夫かなと。まあでも鏡像世界がそんなようなものなので。
冒険の舞台はまだまだいっぱいあるぞということで。
※わざわざこんな小話を挟んだのは、恐らく「黄金のレガシー」でも同様の展開になることを示唆しているのではないかと思われる。現在開示されたのはすべて新大陸トラルのヨカ・トラル地方の3エリアだけだったが、最初に表示された地図を見ると上下が雲で隠されている。通例で行くとあと3エリア(合計6エリア)あるはずだが、残りのエリアは新大陸トラル以外のどこか別のもの(例えばメラシディア大陸など)があるのかもしれない。
ちなみに「紅蓮のリベレーター」のときには、第一弾ファンフェスでアラミゴ奪還とだけ発表しておいて、第二弾でひんがしやドマやアジムステップをサプライズ的に発表したという「前科」があります。今回の新大陸発表のみで下がった人も多いかもしれませんが、第二弾ロンドンフェスも見ておいたほうがいいでしょう。
ウルティマ・トゥーレでのエメトセルクのセリフ
続いてウルティマ・トゥーレでエメトセルクがエルピスの花を咲かせた後に、エメトセルクが去り際に語るセリフについて。
エメトセルク:そして勝鬨を喝采に変え、万感の想いとともに、幕を下ろせ。それでこそ、次の公演が始められるのだからな。新たな舞台と新たな役で……お前たちも、私たちも。
これは、公式サイトロードストーンで公開された「漆黒秘話」第7話「終幕を捧ぐ」の「今、私の魔法はすべて破れ。残すところは、己の存在のみとなった。」というハーデス自身の語りを引いており、これはシェイクスピアのテンペストのエピローグから引用している。なので暁月のフィナーレの最後の去り際のセリフもそれを踏まえた台詞になっている。
エメトセルク周りではちょいちょいシェイクスピアのセリフを引用しているがそれには理由が2つあって、
- ひとつは松野泰己氏が「リターントゥイヴァリース(RTI、紅蓮時代の24人アライアンスレイド)」の際に設定を付け加えた「ソル帝(エメトセルク)は演劇が好き」という設定があったことから
- あとひとつはマイケル(マイケル・クリストファー・コージ・フォックス。シニアトランスレーター)が主題歌など色々な歌詞でシェイクスピアの表現を取り入れることが大好きなので、そこから
ただしこのあたりはケイトさんが英語翻訳時に苦労している明日のパネルで戦ってください(笑
吉田:コージはシェイクスピア好きよね~
さっき楽屋でマイケルが「高校生の頃は嫌いだったけど、今は好きだからもっと勉強しておけばよかったなと思ってる」と話していた。
もうひとつ秘話からの引用エピソード
エルピスでヴェーネスと出会ったっと気にヒュトロダエウスが火山に突撃して云々と語るが、これも漆黒秘話第7話に登場する、アゼムがおいしいブドウを守るために突撃するエピソード。
今日はみなさんも(ローポリ)ブドウ(のぐにゃぐにゃするグッズ)を持っているんじゃないかと思います。ちなみにあのローポリブドウは、みなさんが取り上げてくれたので開発でもけっこう人気になっている。アーティストが北米のファンフェスが終わったら持って帰ってきて欲しいと言っていた。
吉田:いやいやいやいや。あのローポリブドウはね、海外のみなさんが面白いって言ってくれたから良かったものの、本当はダメだから。光の戦士のみなさんが優しくてよかった。
さらにもうひとつ秘話からの引用エピソード
ウルティマ・トゥーレに旅立つ直前に、ビッグスたちと雑談をする所。
彼らが光の戦士たちにかける言葉に対してなんと返すか選択肢がある。もちろんどっちでも良いのだが、秘話第8話を受けていたのが上の方の選択肢(「そこから先は任された」)。
グ・ラハがアモンと対になっているセリフなど
グ・ラハの話が出たので続けてみると、かつて、夢や希望を星の輝きに喩えていたことがある。
そして彼が、オールド・シャーレアンで、エクスアダマントの開発はかつてアモンが行っていたことだと語っているシーンがある。
この「星」にも希望(hope)という意味が掛けられている。アモンが聞いたら嫌がりそうなセリフで、グ・ラハとアモンはアラグ文明が残した(ものを受け継ぐ?)立場でありながら正反対の方を向いている関係にある。なので2人を対比させて書いているセリフも多い。
※以下この対比となっている箇所を何箇所か見ていく。じっくり見ないと分かりづらい。アモン=ヘルメスの記憶を継いでおり、それはファダニエルへも引き継がれているという話が下敷きにある。それとグ・ラハとの対比。
グ・ラハ関連でアモンと対になっているセリフなど(その2)
たとえばこちら。星海の底でアモンの魂と決着を付けるシーンでのセリフは、パッチ5.3でクリスタルタワーで眠っているグ・ラハを起こしに行く際のモノローグの引用だった。
5.3
吉田:ボクもチェックをしていて何度も泣かされました。
石川:パッチ5.3は世界的なコロナパンデミックの時に製作されていた。なので吉田さんの泣いているシーンは見ることが出来なかったので残念。
吉田:あの頃って在宅勤務だった?
石川:いや吉田さんが最初に在宅やめて私は(出勤したのが)2番目なので…
吉田:だからそんなに(会えていない)間はなかったと思うんだけど、できるだけ会わないようにしていたのか(笑
石川:そうそうそうそう(笑
つづき。アモンは声や顔も思い出せなくなるような事を話している。しかしグ・ラハはそうやって記憶が薄れたとしてもすべての冒険が今日のあなた(光の戦士)に続いていると言っている。
ヘルメスの記憶を継ぐアモン(アモンは認めていない)
アモンのセリフを見てみると「……ですが、私はヘルメスだから終末を呼んだわけじゃない。」と言っている。2人の主張はどちらが正しいというものではなく、それぞれが正しいものだと思っている。
ただ、アモンは関係ないと言っているが、ヘルメスの記憶を受け継いだからこそ知っている記憶もあると石川は思っている。
(ファダニエルが)アーテリスに終末を引き起こす計画も、もしそうじゃ(ヘルメスの記憶を受け継いで)なかったらそもそも建てられなかったはず。だからサベネア島でのセリフにそれが出ている。
この「魂の性分」についてもグ・ラハはアダマンタイトの所で話をしている。
アラグ帝国関連の小話
石川:アラグ帝国の全容もいつか書き換えてみたいと度々話題に上がりますよね~吉田さん。
吉田:日本のヒカセン(FF14プレイヤー)の間では、FF14のストーリー上なにか厄介なことがあると、「だいたいアラグのせい」と言うミームが出てくる。北米ではそういうのないのかな?結構ある?あーそうなんだ。FF14のすべてを通していたるところにアラグ帝国の痕跡がある。ロアー(世界設定)も含めて結構エピソードちゃんと作られているところが多いんだよね。だから、いつかね、アラグがメインになる拡張がやりたいなぁみたいな気はあるんですよ。
石川:みんな聞いた?みんな聞いたー?今の覚えといてね!
吉田:でもみんなね、「またアラグかー」って言うと思うんだよね。まあ、なっちゃん(石川氏)が書くんなら考えてもいいよ。
石川:私が後輩を育てた意味はなんだったのか(笑。でも私最近ねオルト・エウレカでアラグの話を書かせていただきました。ストーリー自体はすごく短いんですけど、クリアした後にボスの説明などを聞くことが出来てですね。そこでアラグ側から見た見解ってどうだったのかというものが垣間見ることが出来るのでまだの方はぜひ遊んでみてください。
吉田:まあでもアラグ帝国が全盛期だった時代に何が起こったのかというのはプレイヤーのみなさんもなんとなく断片的に知っていると思うんですが、あれを全部繋いだらめちゃくちゃ面白いと思っているので、何かしら考えたいなと思ってます。
石川:この話し続けると未来の開発チームが困ると思うので(開発)パネル?に戻りましょうか(笑
※ここで吉田Pがお口にチャックのジェスチャーをしている。
※繰り返しになりますが、わざわざ時間が限られていて台本も用意されているこのイベントでこんな小話を挟んだのは、恐らく「黄金のレガシー」でアラグ帝国が扱われることを示唆していると思われます。
・アモンからオルト・エウレカ、アラグ帝国(ヴォイド=第十三世界から来た大妖異 暗闇の雲と契約していた始皇帝ザンデ)、メラシディア大陸と話は全て繋がっています。またアラグ関連では、オメガ、七大天竜「アジュダヤ」(及びメラシディア大陸)にも深く絡んできますし、何より最初のアライアンスレイド「クリスタルタワー」関連の総回収にもなります。6.1以降延々とアジュダヤの話をしてきたのも、その中で「暗闇の雲」の名前を忘れないように度々出してきたのも7.0の仕込みなんでしょう。
・もちろん残る6.5でアラグ関連をさっさと終わらせることも可能でしょうが、すでに宇宙も終わらせて残るネタが限られる中、アラグ関連ほど美味しいネタをさっさと終わらせることはまず無いと思います。第三星暦を描くことで第五星暦も描くことが出来るようになります。というより聖天使アルテマこそが元凶になりつつあるようなので、そろそろアラグは7.0ぐらいでクリアにしておくという考え方もできるかと思います。
・これは「黄金のレガシー」において、メラシディア大陸から過去のアラグ帝国に行く(第三星暦)などアラグ帝国をフィーチャーする内容が語られることになるのではないかと強く推測してみます。リオルという新生から出ている息の長いキャラがいて、彼が暁月のフィナーレの最後で「行き先は……そうだな、どうせなら新大陸かメラシディアか?」とも語っています。
・ちなみに同様に暁月の最後にエメトセルクがずらずら地名を挙げるあれですが、そう考えた上で眺めるとかなりつながることがわかります。関係なさそうなのは「オサード小大陸の北の秘宝の島」と「鏡像世界の驚くべき文化」くらいになります。これらはどこかのIDで使うのか、あるいは次の次のエクスパンションなのかは不明です。
もう一対対比になっていると言う話(ゼノス)
光の戦士がエルピスから帰ってきた後に、ゼノスから語られるセリフ。これはヘルメスのセリフと対になっている。
ヘルメスがエルピスでつぶやくセリフ。
続いてゼノスのセリフ。
このセリフを聞いた光の戦士が、珍しくゼノスに対して険しくない(はっとした)表情をしている。しかしゼノスはその表情に気づいていない。この時ゼノスが光の戦士の変化に気づいていたとすれば、何かが変わっていたかもしれない。とはいえゼノスなら気づかないと私は思いますけど。
吉田:ゼノスと対峙jする時に、光の戦士であるキャラクターにどのような表情をさせるかについては、何年も悩んできた項目でもある。FF14ではキャラ=プレイヤー自身なので、ゼノスが大好きな人もいれば、絶対に許せないという人もいる。ここをどうバランスをとるのはたいへん難しかった。しかしハッとするくらいならどっちでも大丈夫なので…
石川:そうですね。このハッとするくらいならどうとでも取れるので入れてもらったところですね。
吉田:6.0でも「友」と呼ばれる場面があるが、あそこもめちゃくちゃ調整しました。ちなみになっちゃん個人としては、ゼノスと言うキャラって身近に居たらわりとありなの?なしなの?どっち。
石川:すべてのキャラクターは自分にまったくかぶらないものは出ない。だからまったくわかんないということはなくて、自分の主張と近いなと思うところはある。それが第三者として身近に居たら自己嫌悪とか同族家の敵にどうかなと思います。吉田さんは好きなシーンとかありますか?
吉田:ばりーんって出てくるところかな(暁月のウルティマ・トゥーレでの巣を壊して出てくる登場シーン)。プレイヤーは暁のメンツも逃しちゃってどうするんだろうと思ったんだろうけど、飛び出してくる神竜は、あの状況を無茶苦茶に壊すのはゼノスだと思ってるのでけっこう好きなシーン。あそこはセリフを書くのも相当苦労したんじゃないか?
石川:何をどこまで説明するか、ゼノスが来た経緯をどこまで説明するかということについては吉田さんとかなり綿密に打ち合わせをしました。
吉田:いきなりぶち破ってきて、なぜ俺がここに来たかとかずーっと(セリフで長々と)説明したら変だもんね。
石川:なのでちょっと説明不足的ではあるけども、ゼノスの思いと、思いが力になる世界であればもう「光すら越えて俺は来た」てもう、それだけでゼノスはいいのかなと。
吉田:現実世界ではアインシュタインが打ち立てた物理法則「光速度不変の定理」があるが、あの空間では思いが全てなので、「光すら追い抜くことは容易かったぞ」というあの一言で済ませるっていうね。ゼノスに対する好悪はあるにしろ、あの場面では龍の背に乗って戦うしか無いので、互いにパーティを組んで共闘してるわけではないというのをどうやって演出しようかというので無茶苦茶大変だった。なのであのときの光の戦士はゼノスの力を借りて戦う気持ちはないけど、とりあえず終焉を謳うものを倒す足場がないので、仕方ないから(背中を)足場として使おうという考え方だし。ゼノスはゼノスで、お前と戦うために来たんだからさっさとあいつ(終焉を謳うもの)を倒せとだから仕方ないからバトルフィールドになってやると。
石川:でもそれってすごい大事で、そういう意図でやってるからこそゼノスって他の星々がどう絶望してようが彼だけは絶望しない。だからいやいやながら意図していない共闘がなかったら勝てなかったと私は思います。
吉田:それにまつわるセリフとしては、ヴェーネスがそのアゼムのクリスタルを持っていた元の持ち主はこう言っていたと。そのクリスタルの力があればなんでも呼び出せてしまうけども、そればかりに頼るんじゃないと、それがまさにあのシーンなんですよね。
石川:それがまさに注釈が入っていたところでした。
※と言いますけど作り出した作品(ここではMMORPG作品)は等しく大衆の評価を受けるのだという前提で言えば、これだけ時間を割いてくどくどと実装の意図やキャラクターの行動意図を説明しなきゃならないということは(あくまで私いち個人的にですけど)はっきり言ってうまくいってないと思います。理解している人はゼロじゃなかったとは思いますが、大勢には意図は伝わってなかったんだと言わざるを得ないと思います。ゼノス以外は(聞くまでもなく理解できたり)、あるいは説明を聞けば「あーなるほどね」とちゃんと納得できる説明(理解しうる描写)がありますが、ゼノスについては開発側の言い訳なんですよね。宇宙の果てでゼノスとの決着を付けさせたい、じゃあどうするかというプロットありきで都合上考え出された脚本だと(あくまで私個人的に)感じます。結局ゼノスというキャラクターの行動意図がわかりづらいのはそこまでの描写に問題があったのだと言わざるを得ないのではないでしょうか。バトルフィールドごときなら終焉を謳うものに用意させればいいだけだし、まさに思いが力を生み出すというのだからバトルフィールドぐらい物理法則無視で簡単に構築できるでしょう。直前にクリスタルの力に頼ってるんだし何を今更というか。暁月での残念な部分の一つです。
「かけがえのないもの」に対する注釈
石川:ガレマルドで、アリゼーがアルフィノに言うセリフの「かけがえのないもの」については、かつてルイゾワが2人に語ったセリフを引用しているものになっている。
しかし「かけがえのないもの」自体が、日本語にがあるが英語にはない言葉であるため、凝った表現方法を使っている。
これがガレマルドのシーン。
続いてかつてルイゾワは双子に語った言葉。
ここで脱線:日英会話での違いなど
吉田:今の「かけがえのないもの」って我々日本人はよく使う。英語ではそれに該当するものがない。ローカライズというかカルチャライズをしていて、「だからそれは英語にはないんだって!」と言いたくなる代表例はどんなのがあるのか?
ケイト:「よろしくお願いします」みたいに、決まった表現がないので、まずはどういう気持で言っているのかを理解してから翻訳しないと、微妙な分かりづらい表現になってしまうことがある。
アイミ:何をよろしくされるんだろうかとか、
ケイト:そう。何か私になにか親切にお願いしますけど、私からもなにかちゃんとやりますから、みたいな。
アイミ:「頼みます」って意味で言ってるのかなあであったり。「これからもよろしくおねがいします」だとまた意味が変わってくる。なので文脈をたどる時にけっこう周りのコンテキストを拾いながら、どういった意図で言われているのか、あとはどういった感情が乗っているのかがわからないと、うまく英語でのワードチョイスが出来ないというのはあります。
アイミ:だからルイゾワがアルフィノ・アリゼーに「”かけがえのないもの”を探しに行きなさい」っていうのを、彼にとっては孫たちに「ちゃんと(彼ら自身にとって)大事なものを探してこい」と言っててそれは日本語では伝わるが、英語ではフラットに「とりかえられないもの」とかそういう直訳すると感情のない単語になっちゃうので、「探しに行きなさい」って言われても「ん?何を(探しに行くの)?」となってしまう。なにかモノを探しに行くのかしら?みたいな印象を与えかねない。
吉田:「よろしくお願いします」もよく使うけど、なんとなくニュアンスでね、「あーはいわかりました。じゃあよろしくお願いします」と返したりするけど、主語ないもんね。
吉田:ちなみにアイミさんはないの?吉Pもうこれは言うの止めてっていうのは。
アイミ:トクタケ(アイミさん自身)は通訳しか能がないので、これをどう言い換えようというのはむしろチャレンジに思っているバカなので(笑 なので何でも投げてください。こっちで頑張って英語でなんとかなるだとうと考えます。
吉田:ボクは優しさに助けられてるっていうことでした。はい。
石川:またもや脇道にソレてしまいましたが、そんな感じのローカライズ側の努力もあって全世界のみなさんに伝え送り届けられるように努力しています。とはいえローカライズチームだけに頑張らせるわけにはいきません。
別の工夫をした所
双子と父・フルシュノが和解するシーンなのですが、ここでも日本語では「かけがえのないもの」を重ねることで、大迷宮バハムートから続くルヴェユール家の一連の物語であるようにしています。
大迷宮バハムートのこのシーンと、
オールド・シャーレアンでフルシュノが双子にとったこの動きが、
本人たちは意図してないけども同じ動きとなっている。
吉田:ちょっとまっとよ。戻して…進むと。カメラ位置は逆なんだけど(実際には双子の立ち位置も逆でルイゾワはアリゼーに右手だが、フルシュノはアルフィノに右手を掛けている)。
※このルイゾワとフルシュノが、それぞれ双子に語りかけるシーン自体が韻を踏んだ形になっている。位置と時系列が逆っぽいが、右がルイゾワが大迷宮バハムートで、左はフルシュノがオールド・シャーレアンで語りかけるシーン。もちろんフルシュノはルイゾワのバハムートでのシーンは知らないが、知らず知らずのうちに大人になりつつある双子に対して同じ態度で接している(つまりはルヴェユール家の連続した物語である)ことを表している。
石川:モーションを使い回すためにやってたわけじゃないんですよ~(笑 これは言語に関係なく2つのシーンにうっすらとつながりを感じられるといった次第です。(外見上は)そんなに変わってないんですけど、アルフィノとアリゼーは(精神的に)大きくなったなぁと感じますね。
吉田:度々インタビューでも言ってるんですけど、ファイナルファンタジー14の真の主人公はプレイヤーのみなさん=光の戦士なんですが、NPC側の主人公としてこの双子を足掛け10年描いてきてるので、思い入れは無茶苦茶強いですよね。俺50歳だからこの2つの絵を見てるだけでもう泣きそうだもん、だって。これはでもチェックしてて気づいたよすぐ。
石川:バレちゃった(笑
(ここで新生からの2人のシーンが映し出される)
吉田:(蒼天前)このころタタル黒幕説とかあったよね。今でもワンチャンあるもんね。
石川:暁が解散して倉庫を手に入れたタタルさんはこれから世界の支配者になっていきます(笑
吉田:FFシリーズはキャラがいてそのキャラのストーリを描くことで疑似体験することで紡がれているが、FF14はMMORPGなのでみなさん自身が主人公でもあるので、みなさんのキャラクターを勝手に成長させたり、勝手に挫折させたりさせるわけにはいかない。難しいのねほんとに。でもねイシュガルドに追い落とされたりとかはやってるんですけど、その代わりと言ってはなんですけど…
吉田:だからこそNPC側のというか物語側の成長要素というのはこの2人でかなり強く描いてきた。ボクからするともうなんか息子と娘みたいな感が、フルシュノの立場感があるんで。アリゼーのセリフをもっとも書いてきたのはたぶんなっちゃんだよね?
石川:そうですね。バハムートの時代からなので多いと思いますよー。
吉田:だってそもそも新生エオルゼアだとアリゼーはほぼバハムートしか出てこないもんね。なんか思い出あります?アリゼーのここ、ここすごい困ったなーでもいいですし、ここめっちゃ感情移入したなーとか。
石川:んー困ることはないかなー。アリゼーはいつでもアリゼーで居てくれるので。困ったというのはないです。アルフィノってすごいわかりやすく言葉にしていろんなことを知りたがるんですけど、暁に合流した後のアリゼーもかなり積極的に世界とか周りのことを知ろうという意志がある。だから何かが起きた時に「どうしたの?」とか「どうしてこうなったの?」とか「あなたはどうしたいの?」というのを実はアリゼーは問いかけてくれるキャラクターだったりします。それを聞いて、「その上で私はこう思うからこうするわ」っていうのを言えるキャラクターである。アリゼーの成長ってアルフィノほどわかりやすくはないけど、やっぱり最初のあのおじいさん(ルイゾワ)のことを聞いたら思い込みで突っ走って怒っていた頃から比べると、そういうところがすごく素敵な女性になったなと思います。
吉田:アリゼーは大迷宮バハムートのシナリオに入るまではずっとイライラしっぱなしだもんね。アルフィノがクリスタルブレイブでこけてこうなった(うなだれた)のと同じ様に、アリゼーにとっては大迷宮バハムートでの(第七霊災での様々な)真相が成長させる最大のきっかけだったんだよね。
石川:最近(FF14に)合流された方はなかなか昔のレイドって遊ぶ機会がないと思うんですけど、そんなことでアルフィノ・アリゼーの成長とも大きく関わっているので、まだ遊んでない方はできれば大迷宮バハムート(新生時代の8人レイドシリーズ)を遊んでみてください。ただ昔、最初につくったレイドなので、変な所でカットシーンは入るんです。ごめんなさいね、あれ。開発チームも今だったらあんなことしないんですけど、当時何もわかってなくてじゃここに(カットシーン)入れるかーって入れちゃったので攻略の邪魔になっていたらほんとごめんなさい。
吉田:あれノーマルもハード(零式)もないからさー、正直キレイに作り直したいぐらいなんだよねーあれねー。
石川:やりましょうかーバハムート改修。
吉田:(ブルブルと顔を振る)だってボスのギミック無茶苦茶だもん。だってヘビにスライム食わせるために、黒魔道士で俺コラプス撃って走りまわってたもん。あとミノタウルス連れて歩くのにブリザド撃って足遅くして、そしたら他のプレイヤーの人に「黒魔道士さん、召喚士使えない(ジョブチェンジできない)んですか?」って言われたし。いやー色々ありましたね。
時間余っているので「MMORPGにストーリーは必要なのか?」
吉田:そろそろコーナー終盤ですけど、振り返ってアルフィノ・アリゼーだけじゃなく、ここ思い出に残ってるなーとか、振り返っておきたいなーとか、面白いエピソードあったりとかありますか?
石川:みなさんにちょっと断っておきたいんですけど、この開発パネル、他のスケジュールが押したので一切リハーサルをしてないので、今の質問は今が初です。
吉田:だってあとまだ20分あるんだもん(笑
石川:広すぎて難しいですね。やはり今一番印象深いと言うか、直したいと思ってるのはまーじでバハムートのカットシーン1。
吉田:まあ確かにね。我々の作り方も慣れてなかったし、スケジュールも無茶苦茶だったし。そうだよなぁカットシーンもテクニックがまだまだ発達してないから苦労の連続だったんだよね。
石川:そうですね。MMORPGにストーリーは必要なのかというのが開発スタッフの中にもやっぱり気持ちとしてありました。その時吉田さんがチームに打ち出した方針として、これはファイナルファンタジーなんだから、世界だけは救ってもらおうと最初に打ち出した。だから私はスタッフの一人としてその言葉を道標にして、何度でも世界、時には国だったり地域だったり、まあ本当に世界だったり星だったりもしましたけど、を毎度毎度救ってきました。それを今みなさんが声を上げているように、みなさんが面白かったと返してくれたからスタッフの中にも「あーこれでいいんだ。ストーリーあっていいんだ」という自信が持てたんだと思います。
吉田:まあでも確かにあの当時まだ旧FF14があって、新生エオルゼアリリースする前だったから、本当にMMORPGに詳しければ詳しいほど、ストーリーって言ってる部分がプレイヤーのむしろ邪魔をしてしまうんじゃないかっていう疑心暗鬼になっちゃう。詳しければ詳しいほどなる人もいないわけではなかったので、でもそここそがFF14がユニークでもっともっと沢山の人にMMORPGを遊んでもらう鍵になるのでそういうとこにこそ拘るんだという話をして、それをみんなで叶えてきてくれたかなと思います。
石川:この場を借りて言いたいことがあるとすれば、皆さんにお礼が言いたい。私たちがちゃんとストーリーを書いてこられたのは、自分たちが書いてきたこと以上に、書いてきたことに対して(プレイヤーのみなさんが)リアクションをくれたからだと思っている。
吉田:まあFF14は、ずっと言ってきてますけど、みなさんと一緒につくっていくファイナルファンタジーなので、これからもぜひよろしくお願いします。あのーアンエンディングジャーニーなんで。
石川:今回ご紹介した箇所以外でも、暁月にはいろんなデュナミスのように「目に見えない」要素が隠されています。いつかまた物語に触れることがあればそういうのを探していただくのも良いかもしれません。たーだー、現実だって真実とか真意っていうのはなかなか掴めないものです。どんな意図で書かれているかではなくて、みなさんが見て聞いて感じて考えたものがエンドウォーカーです。
石川:そして一つの物語が終わったからには新しい物語が始まっていきます。今、新世代が中心になって、このトラル大陸での旅を制作しています。
吉田:より監修役としてチェックをしているなっちゃんから見て、7.0は如何ですか?
石川:まさしく「新しい冒険」て感じで、大変だけど楽しいです。みんなにみんなの準備を整えて、地図を渡して、さあ行ってきなさいって背中を押すと、あっちでどっかーん、こっちでどっかーんと、ワー!キャー!ってすごい惨状です。で、見かねて手を貸して誘導するんですけど、それを繰り返しているうちに、「わかってきました!」といって力強く走り出す瞬間が出てくるんですよね。それがすごく頼もしいし、FF14の次の10年も楽しくなるだろうなって思っています。そんな気持ちを本人たちが言うのはちょっと照れるだろうから、コージさんと一緒に今日公開されたトレーラーに歌詞として込めてみました。ということで、祖堅さんが周りに答えを求めながら頑張ってつくったあのトレーラーの曲を聞きながら次の情報公開や発売をお待ちいただければと思います。
吉田:ボク自信も今回ガラッとね、夏休みって言ってるからですけど色んな新しいことやってるんで、楽しいです。なのでしっかりつくって行きますんでぜひね、次の新しい冒険も楽しみにお待ち下さい。
以上です。